とさちょうものがたり

土佐町ストーリーズ

嫁のへ

 

昔、あるところに、それはべっぴんで気立ても良く、働き者の娘がおったそうな。

しかし、こんな娘にもひとつだけ悩みがあった。芋が何よりも好きで、芋なしでは生きてゆけんほどの芋好きじゃったそうじゃ。

縁談の話もたくさんあったが、なかなか嫁に行こうとはしなかった。そんな娘も親の勧めで、ようやく嫁ぐことになった。両親もたいそう喜んだが、娘を呼んで「ええか、嫁に行ったら、芋が出て三個以上食べたらいかんぞ。おまんは芋を食べたら、へが止まらんなるから。それがもとで離縁でもされたらおおごとじゃ」と言って嫁を案じたそうじゃ。

嫁いだ先の家では、べっぴんで働き者の嫁が来たとたいそう喜んだげな。

嫁も初めのうちは親の言いつけを守り、芋を食べざったが、一ヶ月ぐらいたったある日、どうしても我慢できんなり、芋を食べたと。それから毎日少しずつ隠れて食べよったが、次第に量が増えだした。

そしてある日のこと、姑が息子に「えらい最近、芋つぼの芋が減るが、どうしたもんじょう」と聞いたそうな。息子もわからんかったんで、嫁に「おまんは知らんか」と聞いた。嫁は「あては知りません」と答えたんじゃが、その日はあまりお腹がへっちょったもんじゃき、芋をどっさり食べちょった。

「あては本当に知りません」ともう一度言ったとたんに「プップップップ………」と、へが止まらんようになって、その勢いで空へ飛んで言ったそうな。

まっこと、芋の食べ過ぎは、怖いのう。

和田土良

「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店(11月16日・17日開催)」出店者紹介

この記事は、2019年11月16日・17日に開催される「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店」に出店する土佐町の事業者さんたちを紹介するページです。イベント当日は、ここにご紹介していく土佐町の食べ物や木工品を製作販売している方々が集結します。みなさまぜひお立ち寄りください!

 

とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店イベントページ

 

生活改善グループ

土佐町の平石地区・西石原地区のお母さんたちが、自慢のたけのこ寿司や山菜寿司、栗おこわやおもちなどを販売します。たけのこ、お米、野菜など材料は全て土佐町産。お母さんたちの台所から生まれる山のごちそうをぜひ味わってください!

 

平石地区のお母さんたち。 左から西村裕子さん・筒井利子さん・筒井緑さん

「平石公民館」が平石生活改善グループのお母さんたちの台所。昭和60年に建てられたこの場所にお母さんたちが集まって、味噌や山菜を保存したり、イベント時にはお寿司などを作って販売をしてきました。30年以上前には20人ほどの方がいたそうですが年々人数が減っているとのこと。「昔は家にいる人がほとんどで、雨の日や外で畑仕事ができない日にみんなで集まってお茶を飲んだりしながら作業していた。今は外に働きに出る人が多いきね」

昔とは生活スタイルも変わってきているけれど若い人たちにも引き継いでもらえたら、と話していました。

 

取材当日、たけのこ寿司を作っていたお母さんたち。たけのこ寿司の寿司飯の具の仕込みをしていました。ごぼうはささがきにして干し椎茸と一緒に煮、別の小鍋では人参がコトコト…。人参を別にして煮るのは、そうした方が人参の赤い色がきれいに出るからなのだそうです。なるほど! 寿司飯の味の決め手である柚子酢も自家製です。

大鍋では前日から塩抜きしていたたけのこの味付けの最中。落し蓋をして味をよくよく染み込ませます。

栗は緑さんの家でとれたもの。栗おこわに入れるのです。もう一つのお鍋ではおこわ用の小豆がお鍋の中でくるくると踊っていました。

「こうやって私たちが作れるのも、山のもんを分けてもらってるから」とお母さんたち。

台所はお出汁のいい香りと美味しいものたちの湯気でいっぱいに。お母さんたちはこうやってこの地の美味しいものを作り、守り続けてきたのです。

 

西石原のお母さんたちは田舎寿司を販売します。

こんにゃく寿司、みょうが寿司、リュウキュウ寿司、おいなりさん、たけのこ寿司…。色とりどりのお寿司たちです。
収穫できる9月に浸けておくみょうが、塩漬けしたリュウキュウ。お母さんたちの台所からは、その地の食材の一年間がみえてきます。

同じたけのこ寿司でも、地区によってたけのこの味付けも寿司飯の味も違います!それぞれの美味しさをぜひ味わっていただけたらと思います。

お母さんたちの味をどうぞお楽しみに!

 

11/16・17 とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店

 

「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店(11月16日・17日開催)」出店者紹介

この記事は、2019年11月16日・17日に開催される「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店」に出店する土佐町の事業者さんたちを紹介するページです。イベント当日は、ここにご紹介していく土佐町の食べ物や木工品を製作販売している方々が集結します。みなさまぜひお立ち寄りください!

 

とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店イベントページ

 

le petit gouter (ルプチグーテ)

「le petit gouter」(ルプチグーテ)の意味は「小さなおやつ」。フランス菓子づくりを学んだ土佐町の尾﨑美穂さんが、生クリームや季節の果物などを使った生菓子を販売します。当日は10種類の生菓子、クッキーやパウンドケーキなど焼き菓子も販売する予定です。

 

工房にて

ずっとお菓子づくりが好きだったという美穂さん。自分でお菓子を作りたいと考えていた時にフランス菓子の講座が開かれることを知り、参加しました。講座終了後「お菓子教室やってみたら?」と講座の先生が声をかけてくれたことをきっかけに『お家でもできるフランス菓子』をテーマにした教室をスタート、現在フランス菓子の先生としても仕事をしています。やりたいと思っていたことが知らず知らずのうちにどこかでつながっていて今がある、と美穂さん。

今後、土佐町でも工房を構えようと準備中です。

 

取材当日、美穂さんが作っていたケーキ「le Fédora(ル・フェドラ)」。

上から、りんごとキャラメルのジュレ、キャラメルのムース、スイートチョコレートと生クリームのチョコレートムース、アーモンドをベースにしたスポンジの4つの層でできています。ひとつひとつの層がとても美しく、うっとりします。

小さな銅製のお鍋にりんごジュースと砂糖を入れて、コトコトと火にかけて作ったジュレを丁寧に重ね、「le Fédora(ル・フェドラ)」が完成です。

 

編集部は、出来立てをご馳走になりました!

この美味しさをなんと言ったらいいのでしょう…?!

もしこれから美穂さんのお店でこのケーキに出会ったら、間違いなくこのケーキを選ぶでしょう。お湯を沸かし、美味しい紅茶を淹れて、大切な人と「おいしいねえ」と言いながら味わいたいと思えるケーキです。(簡単にいうと、もう一個食べたい!ということです)

11月16日・17日の高知蔦屋書店イベントでも、この「le Fédora(ル・フェドラ)」を販売するそうです!

どうぞお楽しみに!

 

11/16・17 とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店

 

とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店 開催決定!

日時 2019年11月16日(土) 17日(日) 10:00~17:00
場所 高知蔦屋書店 〒780-0084 高知県高知市南御座6−10 Tel: 088-882-5544

 

南御座にある大型複合書店・高知蔦屋書店での土佐町ジャックの2日間です!

当日は内容も盛りだくさん!

●写真展 とさちょうものがたりの写真展。『キネマ土佐町』の上映も!

●物産展 土佐町の人たちが育んだ食べものや木工品、自慢のものを販売します!

●ワークショップ お山の技のいろいろ、作り方を習おう!

 

 

 ●とさちょうものがたりの写真展

 

とさちょうものがたり編集長である石川が撮影を続けている「土佐町ポストカードプロジェクト」「4001プロジェクト」の写真を蔦屋書店内に展示します。

蔦屋書店の一角が土佐町カラーで染められる様子をぜひ見にきてください! また土佐町の四季を撮影した動画「キネマ土佐町」の上映も行います。

 

写真は昨年6月に土佐町で開催された「石川拓也とさちょう写真展」から

 

石川拓也とさちょう写真展(前編)

 

 

 ●土佐町の物産展

 

土佐町で美味しい食べ物や美しい木工品などを作っている事業者さんたちの物産展です。土佐町からの直送ばかり!

参加する事業者さんは以下の通り。今後この欄で事業者さんのご紹介をしていきますので要チェックです!

⑴ sanchikara

土佐町・嶺北地域の生産者の皆さんが作った美味しい野菜を大きな町の人たちへ届けるべく奮闘しているsanchikara. 土佐町自慢の旬の野菜の数々をお届けします!

sanchikara @高知蔦屋書店

⑵ Forest

高知県産の木や竹を使った木工製品を生み出しているForest。木工職人である宅間宏治さんが毎日の生活が楽しくなるような雑貨や木の温かさが伝わる商品を作っています。

Forest @高知蔦屋書店

 

⑶ MISHIMA FARM

土佐町のワイナリー・ミシマファーム。60年前から守り続けて来たぶどう園では化学農薬・化学肥料を一切使っていません。自家栽培ぶどう100%のワインを醸造しています。

MISHIMA FARM @高知蔦屋書店

 

⑷ le petit gouter ルプチグーテ

「le petit gouter」(ルプチグーテ)の意味は「小さなおやつ」。フランス菓子づくりを学んだ尾崎美穂さんが作る、生クリームや季節の果物などを使った生菓子です。

le petit gouter @高知蔦屋書店

 

⑸ 季節の焼き菓子 OriOri

土佐町の季節の素材を使ったお菓子もたくさん!れいほく産の米粉を使ったグラノーラや卵や乳製品を使っていないスコーン、マフィン、クッキーなどが並びます。

季節の焼き菓子 OriOri @高知蔦屋書店

⑹ 平石・西石原 生活改善グループ

土佐町のお母さんたちが作った田舎寿司、栗おこわ、おもち、保存食など…。食材は全て土佐町産!お母さんの知恵と技がつまった美味しいものたちをお届けします。

生活改善グループ @高知蔦屋書店

 

⑺ むかし暮らしの宿 笹のいえ

土に根ざした昔ながらの暮らしを日々営んでいる笹のいえ。四季折々の暮らしから生まれた保存食の販売や料理研究家である笹のいえの女将シネマさんの料理本の販売もあります。

むかし暮らしの宿 笹のいえ @高知蔦屋書店

⑻ 山根くんの コーヒー

土佐町の山根くんが厳選した豆を自家焙煎した珈琲です。注文を受けてから一杯ずつ丁寧に入れるコーヒーを味わってみてください。

山根くんのコーヒー @高知蔦屋書店

⑼ とさちょうものがたり

「とさちょうものがたりZINE」や、土佐町・嶺北地域の障がいを持った方たちがシルクスクリーンで一枚ずつプリントしたオリジナルTシャツやトートバックを販売します。

 

 ●お山のワークショップ

 

とさちょうものがたりから「土佐町の文化」を紹介するワークショップ。「伝統芸」ともいえる技を体験してください。

⑴ さば寿司作り ワークショップ 11/16  13:00~15:00

土佐町にお店を構えて40年。84歳の長野静代さんがさば寿司の作り方を教えてくれます。たっぷりの柚子酢に漬け込んださばで作るお寿司は天下一品!長野さんの手さばきをご覧あれ!

長野さんのさば寿司

詳細はこちらから!

【ワークショップ】さば寿司づくり @高知蔦屋書店

 

⑵ 布ぞうり作り ワークショップ 11/17  13:00~15:00

土佐町の布ぞうり作り名人・筒井政利さんが教えてくれます。布の組み合わせによってぞうりの表情が変わります。素足で履く気持ち良さを体験してみてください!

古い浴衣の布で作った筒井さんの手作りぞうり

こちらの詳細はこのリンクから!

【ワークショップ】布ぞうりづくり @高知蔦屋書店

 

●この欄では、11月のイベント当日に向けて各事業者さんの紹介やワークショップの詳細を連載形式でお伝えしていきます。

イベントのお問い合わせやワークショップ参加申し込みは‥

とさちょうものがたり編集部 メール: info@tosacho.com または080-8631-7461 (鳥山)

までお願いします。

 

11月16日・17日は高知蔦屋書店! みなさまのご参加をお待ちしております!

 

くだらな土佐弁辞典

いんいん

 

いんいん

 

【意味】「うんうん」(相槌)

 

例文:リンリンとランランがいんいん

 

湖畔マラソン大会Tシャツ

参加ランナーのみなさま、たくさんのご注文をいただきましてありがとうございます。

おかげさまで140枚近くのご注文をいただくことができました。

11月11日の大会当日に向けて、とさちょうものがたりの作業場では記念Tシャツの製作が始まっています。正確に言うと昨日始まりました。

 

午前中は大豊町のファーストさん、午後は土佐町のどんぐりさん。

着実に一枚ずつ仕上げていってます。

ランナーのみなさまには大会当日にお渡しいたしますので、楽しみにしていてくださいね!

 

さめうらの郷 湖畔マラソン記念Tシャツ2019

 

 

 

 

 

くだらな土佐弁辞典

あずる

 

あずる

【動】手こずる、難儀する

 

【例】 パズルにあずる

土佐町ストーリーズ

くせ地(黒丸)

 

芥川から黒丸へ越す所の畝が丸山じゃが、その東に川を渡って行ったところにハヨがハエ言う所(く)がある。

以前は伐畑農業いうて、山を焼いては畑にして稗など作りよった。

その山を焼くに、人が中で火をつけよるに、そのまわりにずっと火をつけまわして、「早よう出え、早よう出え」と呼びまくって焼き殺したという。

そんでハヨがハエいうてここを耕すと祟りがあると言いよったが、今は植林になっちょります。

町史

土佐町ストーリーズ

高須の地名と河内神社(高須)

 

高須の北浦という所に大きな榎(えのき)があって、それに鷹が巣をこしらえちょった。

そして近くの家の子どもをさらっていくので、始末せんならんことになった。

狩人じゃったら祟りがないということで、狩人を連れてきた。鉄砲か弓じゃったかは知らんが、射たれた鷹は飛んでいって河内神社の坪(庭)に落ちた。

榎はそのままにしておいたらまた巣をこしらえてはいかんということで切ることになり、祟りがあってはということで、その榎から御神体をつくるからと神様にお断りの祈祷をして伐り倒したそうな。伐ったあとは田になっちょるが、京都の仏師に頼んで八体の神像を刻んでもろうたそうな。

町史

メディアとお手紙

『土佐町の記憶 ウェブ連載』 高知新聞に掲載されました!

 

2019年8月22日、高知新聞に掲載されました。とさちょうものがたりの連載「山峡のおぼろ」を執筆してくださっている窪内隆起さんの記事です。「山峡のおぼろ」のうちの20話をまとめた「とさちょうものがたりZINE04」について、高知新聞嶺北支局の森本敦士さんが書いてくださいました。ありがとうございます。

この記事が掲載された22日の午後、窪内さんが連絡をくださいました。「この新聞記事を読んだたくさんの知人・友人が、朝から次々と電話をかけてきてくれた」、と。

窪内さんが記した記憶が、多くの人に届きますようにと願っています。

 

土佐町の記憶 ウェブ連載  87歳幼少期の苦楽つづる
司馬遼太郎さんの元編集者 窪内さん(高知市)

【嶺北】土佐郡土佐町出身で、産経新聞記者時代に作家の司馬遼太郎さんの担当編集者を務めた窪内隆起さん(87) = 高知市一ツ橋町=  が、ウェブサイトに古里の思い出を連載している。山川での遊び、銃後の生活…。平易で温かみのある筆致から、貧しくとも自然と人の絆で満ちた山あいの暮らしが浮かぶ。

窪内さんは1955年に産経新聞大阪本社入り。65年に文化部に配属され、同紙で「竜馬がゆく」を連載中だった司馬さんの担当となった。続けて「坂の上の雲」が始まったが、窪内さんは父親の大けがを機に69年に退職し帰郷。その後も96年に司馬さんが亡くなるまで交流は続いた。

ウェブサイトは土佐町の魅力を発信するプロジェクト「とさちょうものがたり」。同町在住の写真家、石川拓也さん(45 )ら編集部が昨秋、窪内さんに執筆を依頼した。

戦前を知る人が減っていくことを案じていた窪内さんも快諾。「山峡のおぼろ」と題して昨年11月から連載しており、編集部はこのほど、20話分をまとめたA4版、48ページの冊子「ZINE04」も発行した。

これまでの各話は、窪内さんが12歳まで過ごした土佐町西石原(旧地蔵寺村)での出来事が中心。初めてアメゴを釣った「モリタカ渕」、飢饉食の彼岸花団子を作ってくれた「おゆうばあちゃん」などは克明な記憶で、当時の情景を生き生きと伝える。出兵先で死を覚悟した父親から送られてきた爪と毛髪を見た時の思い、家族の取り乱す様子など、生々しい戦争の影もつづった。

窪内さんは執筆中、産経新聞退職の際に司馬さんから贈られた色紙の言葉「婉なる哉故山 独坐して宇宙を談ず」が頭から離れなかったそう。故山は古里、宇宙は世間の意味で、司馬さんは「美しい古里でいろんなことをゆっくり考えたらいい」と話したという。

連載について窪内さんは、「戦争による日本の大きな悲劇、苦しい時代が忘れられていく気がしていた。文字に残すことが大事だと思った」。全40話の予定で、今後も随時掲載していく。

「ZINE04」は土佐町内などで無料配布しているほか、高知市の金高堂などで1部600円(税別)で販売もしている。

(森本敦士)

 

 

*「とさちょうものがたりZINE04」についての記事はこちらです。

 

Zine 04号を発行しました!