小学校の5~6年生の頃だったと思います。
読書推進月間のような企画が私の学年でもありました。一冊読めば、黒板の右横に張り出されている棒グラフを一冊分塗りつぶす、というわかりやすいイベントでした。
点数では評価しづらい読書という事柄が、赤いマジックで「見える成果」へと可視化したのが嬉しくて、図書室で借りては読み、読み終わるや否や赤いマジックで、嬉々として棒グラフを伸ばしていきました。
ところがある時、休み時間中もず~っと本を読み続けている男子を発見、盗み見するとタイトルは毎日のように違うのです。そして図書室の貸出カードは複数枚目を驀進中!
でもでも、彼の棒グラフは常に3番手位をキープしているのです。
小学生ながらに考えました…。
「努力は他人に誇示するものではなく、自分の内面に蓄えておくものだ!」
目的を少々はき違えてはいたものの、多くの活字に触れる機会を与えてくれたこの「赤い棒グラフ」が、読書に対するハードルを下げるきっかけとなったのも事実です。