らっきょうの塩漬けから約1ヶ月が過ぎ、「そろそろ本漬けしようかと思うんじゃけど」と計美さんが言いました。
その日は7月29日、昼間の色々な仕事を済ませ、その日の夜、いよいよ本漬けです。
「この時期は昼間はとても忙しいきよ。毎年、らっきょうの本漬けは夜なべ仕事よ」と計美さん。
計美さんは、部屋の奥から一枚の黄色がかった紙を持ってきてくれました。
30年以上前、雑誌に載っていた「らっきょうの甘酢漬」の作り方。切り取って大事に持ち続け、このレシピでらっきょう漬けを作ってきたのだそうです。
「何十年も昔の本の資料。これがなくなったら困るけ」
作ることを重ねてきた計美さんの蓄積が見えるようでした。
「まあ、らっきょうを畑で育てるところからやってみや!」と笑う計美さん。
らっきょうを育て、収穫し、洗って、塩漬け、塩抜き、そして本漬けする。そうすることで初めてらっきょう漬けを食べられる。
長い道のりですが、いつかやれるようになれたらいいなあと思います。
*計美さんのことを書いた記事はこちらです。