前回、休校で家に居る子どもと過ごす時間を増やそうなどとちょっとカッコイイことを書いた。それが理想と考えるが、四六時中子どもと遊んでいるわけにもいかない。家事など最低限やっておかなければいけないことがたくさんあるし、田植えや夏野菜の準備もはじめたい。子どもとの時間と自分の時間とバランスをとって、とは思うけれど、現実はなかなか難しい。
町内に住む友人たちとのやりとりから、彼ら家族も同じような状況であるようだった。普段から一緒に遊んでいるメンバーだから、そうか、こんな状況でもいつもと同じように過ごしたらいいのだ。
「午前中はAちゃん家で遊ぼう」
「今日はB君家族とCちゃんがご飯を食べに来る」
お互いの家を訪れ、室内外で遊んで、ご飯を食べる。いつもの親しい友達と慣れた場所だから子どもたちも思いっきり遊べる。子どもを預けた親は、この時間を有効に使うことができる。受け入れる家の負担を少なくするため、一緒にご飯を食べるときは、おかずを持ち寄るなど工夫してる。遠慮せずに助け合える仲間や家族がいる有り難さが身に沁みる。いつもありがとう。
特に休校になってから、お泊まりする機会も増えた。誰かの家に遊びに行って、もっと遊びたいと気持ちが盛り上がり、そのまま泊まってしまうことも少なくない。今日はあの子の家、明日はこの子の家と泊まり渡ることもある。親同士も気心のしれた仲だから、安心して送り出せる。もちろん、うちにも泊まりに来ることもある。一緒に夕食を食べ、お風呂に入り、眠くなるまでトランプやかるたに興じるのは、子どもたちにとって良い経験になるだろうなあ、と自分の記憶を辿って懐かしい気持ちになる。
休校とはいえ(いや、だからこそ)、いそがしくも楽しい日々を過ごす子どもたちだ。
そんな中で、僕はちょっと混乱することがある。
朝一番に起きて、ストーブに火を点ける。湯を沸かし淹れた珈琲で、寝ぼけた頭を起こしながらふと考える。
「はて、今日うちにいるのは誰だっけ?」
毎日のように入れ替わる家族と子どもたちに頭がついていかないのだった。