ここ数日、山で筍を掘ってる。
あのツンとした穂先が地面から顔を出しているのをみると、気分が高揚し、筍狩りモードに入る。DNAに刻まれている採集民族の本能が呼び覚まされるのかもしれない。
笹の周りには筍が採れる場所が三ヶ所くらいあって、そこを日替わりに巡回しつつ、収穫してる。
今年は当たり年なのか、あちこちに生えてる。
「む、あそこにあるな、あ、むこうにも!」
専用の鍬で足元の筍を掘りながら、次の獲物を探す。目印の少ない山の中では、目を離すと二度と見つけられなくなるから、最近乏しくなってきた僕の記憶力をフル回転させ場所を覚える。
収穫できるのが嬉しくて、後先を考えずに掘りすぎてしまう。採りたてのは水分を多く含んでいて重く、厚い皮がかさばる。
リュックいっぱいになった筍を、よっこらせいと背負って帰ろうとした目線の先に、また筍を発見。
放っておけばいいのだけれど、いつもの貧乏性か、「もうひとつだけ」と、鍬を振り下ろす。もうリュックには入らないので、両手に抱えて、ふうふう言いながら山を降りる。
一息ついたら、今度は下ゆでだ。
包丁で皮に切れ込みを入れて、水を張った寸胴に筍を詰め込んで、かまどで一時間ほど煮る。米糠や唐辛子は使わない。
一晩置いて灰汁抜きできたら、皮を剥く。茹でた後の皮は柔らかく、子どもでも簡単に剥くことができる。散らばった皮に鶏が集まって、盛んに突いてる。裸になった筍はさっと洗って、水に晒す。
中華風筍粥
筍キムチ
揚げ筍ボールのあんかけ
筍とわかめの煮物
タケノコスルメ*
毎日毎食、奥さんがバリエーション豊かに料理してくる。
一部はスライスして、天日で乾燥させ保存用に。
旬の食材として重宝する筍だけど、体質によっては体調に影響が出ることもあるから注意が必要。口の中が腫れたり、便秘になることもあるとか。
とは言え、この時期限定の新鮮な筍。噛んだときのあの歯触りに負けて、今日も食べすぎてしまうのだった。
*タケノコスルメ 食感がスルメみたいで、おやつやおつまみにオススメ。人参や大根でも。
【材料】
・筍 作りたい量。けっこう小さくなります。
・タレ 生姜醤油を水と本みりんで割ったもの。出汁醤油でも、麺つゆでも塩麹でも、お好みの漬けタレでお試しを。
【作り方】
1. 下ゆで、アク抜きしたたけのこを5-8mm幅でスライス
2. お好みのたれに約10分漬け込む
3. この地点では味が薄く感じるかもしれませんが、ザルやバットに移して広げ、お好みの堅さまで天日干し(天気によって1日から3日くらい)*残った漬けタレは煮物などに利用できます