記録を見ると、去年は10月半ばには点けていたうちの薪ストーブ。
今年はこの時期になっても火をいれられなかった。
屋外の煙突を断熱する作業がなかなか完成しなかったからだ。
煙突を二重にして間に断熱材を詰めると、排気が冷えにくくなり、薪の燃焼率が上がり効率良く燃えるようになる。
ストーブだけでなく、五右衛門風呂やかまどで薪を使う我が家で、薪はいくらあっても重宝する。周りを木々に囲まれている土地柄、薪となる木は比較的入手しやすい。が、使う量が少なくて同じ効果が得られれば必要な労力や時間を軽減でき、より長い期間薪人生を満喫できるはずだ。冬の間毎日稼働する薪ストーブの改良で、僕たちの暮らしはより快適になる。
ネットで検索して、ざっとした設計図を描き、使える部材があるか倉庫をウロウロし、友人に不要な材料がないか聞いて回り、無いものは購入する。少し作っては微調整し、インターネットで先輩の知恵をお借りし、また作業を進めて、、、とやっていたら完成が大幅に遅れ、いよいよ朝の冷え込みが強くなってきた。
朝起きてくる子どもたちに「父ちゃん、ストーブ、まだ?」と言われるたび、聞こえないフリをしていたが、それもそろそろ限界と言う11月上旬。なんとか設置にこぎつけた。煙突直径と燃焼の関係やより簡易な掃除メンテナンス方法など、すでに次回への改善点も見えているが、今回は時間切れ。これで運用してみよう。
試し運転をして問題がないことを確認。その翌日早朝、ストーブに薪を焚べた。
木が燃える良い匂いとパチパチと爆ぜる音で、僕の気持ちと身体がやっと冬仕様になった気がする。
僕の次に起きた長女が「あ、ストーブ点いてる!あったか〜い」とストーブに、身をピタリを寄せてきた。ひとりまたひとりと布団から出てくる家族がストーブの周りに集まる。薪の熱で温まった朝食を食べ、おしゃべりをして、それぞれ今日一日の支度をする。
いつもの冬の朝風景だ。
写真:朝四時過ぎ。前の晩に仕込んだパン生地を成形し、温まりはじめたストーブの近くに置いて、二次発酵を促す奥さん。今朝は美味しいパンが食べられそうだ。