分類リンドウ科センブリ属の2年草
分布日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、山地のやや湿り気のある場所に生育する
概要草丈は60~90㎝ 花期は9~10月
撮影土佐町高須/2022年10月
ついつい見入ってしまう花です。
白々と明けてゆくロマンティックな空をイメージしてみてください。
わずかにクリーム色がかった白い花びらを明け方の空に、その花びらの先にある暗紫色の細点を夜明け前の星々に見立てて名づけられた名前だそうです。
星座に見立てた細い点の下にはやや大きな黄緑色の斑点があります。花好きの間では、これは「夜明けの月である」とか、いやいや「明けの明星である」とか、たわいもない議論がよく交わされます。
なんとも味わい深くて可愛い花です。
土佐町では少し山の方へドライブすると出くわします。
センブリ(千振)
アケボノソウと同じ仲間のセンブリの花も見てきました。
薬草として利用され、とても強い苦味があり、最も苦い生薬だと言われます。煎じて「千回振り出してもまだ苦い」というのが名前の由来です。
花の模様は違いますが、アケボノソウによく似ています。草丈は5~20㎝でアケボノソウよりかなり小型です。白い花弁に薄紫色のストライプがおしゃれな花です。
10年ほど前に比べると生育する場所が減ってきているような気がします。
今回見てきたのは伊勢川の「大国様」付近です。沢山ありました。
アケボノソウもセンブリも花弁が5枚(時に3~4枚)に見えますが、離弁花(※りべんか)ではなく、花びらが深く5裂している合弁花(※ごうべんか)です。
いずれも2年草で、ロゼット葉で冬を越し、翌年茎を伸ばして花を咲かせます。
※離弁花:花弁が1枚1枚離れている植物。アブラナやサクラなど
※合弁花:花弁が根もとでくっついている植物。アサガオやツツジなど