分類バラ科キイチゴ属のつる性常緑小低木
分布日本固有種 本州(関東以西)と四国、九州に分布する
概要花期は9~10月
撮影土佐町西石原/2022年12月
11月から1月頃までが果期。フユイチゴと同じように冬に果実が熟すことからついた名前です。
ミヤマ(深山)というのは植物の名前にはよく使われる言葉で、標高の高い場所に生育するという意味合いなのですが、この2種については生育環境にあまり変化はありません。里山から山地まで広く分布しています。
見間違うほどよく似ている両者ですが、草姿と葉っぱの形で見分けることができます。
茎がスマートに伸びて何となく若々しく、緑色の葉の先端がとがっているのがミヤマフユイチゴです。一方のフユイチゴは茶色の毛が目立ち、ちょっともさっとした感じです。葉の先はとがらずに丸まっています。
花はどちらも白色の5弁花です。
秋口から時期をずらしながらまばらに咲き続けますが、このイチゴの魅力は何といっても真冬に真っ赤な果実を稔らせることです。
ゴージャスな実つきと宝石のような輝きのある色合い、甘酸っぱい野生的な味が特徴です。
酸味が強いので一般には生食よりもジャムの方が好まれるようです。
フユイチゴ(冬苺)
フユイチゴは日本の固有種ではありません。朝鮮半島や中国南部にも分布するそうです。
写真は土佐町の上ノ土居堰堤の道路法面で撮影したものです。
ここのフユイチゴは見応えがあります。
砂防ダムとその周辺は環境や景観に配慮して気持ちよく整備されており、道路法面も広々とした感じです。フユイチゴはその法面にびっしり生えています。真北を向いた斜面のため冬の陽光に照るようなことはありませんが、それでも真っ赤に熟した果実が無数にある光景はなかなかのものです。
折角の馳走です。写真だけではもったいないのでジャム用に指がかじかむまで採取してきました。