分類ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木
分布中国原産 日本へは江戸時代に渡来
概要花期は1~2月
撮影2024年2月/土佐町
ソシンロウバイ(素心蝋梅)は原種のロウバイから生まれた栽培品種で、梅に先駆けて新年いち早く咲く花です。
半透明で蝋細工のような直径2~3㎝の花びらが特徴です。
山野で自然に育つ植物ではありませんが、庭木としてよく利用されます。1月頃から咲き始め、今は五~六分咲きというところでしょうか。
清潔感のある甘い香りを漂わせています。
名前の由来は、中国名「蝋梅(ラーメイ)」の日本語読みというのと「ウメの香りのする透き通った花を咲かせる」からという二説があります。
因みに素心(素芯)は園芸の世界では花弁が芯まで同じ色であることを表し、ソシンロウバイは花の芯まで黄色です。
一方、原種のロウバイ(蝋梅)は花の中央部が暗い赤色で花も小さくやや地味な印象です。ソシンロウバイの方が一般にはよく利用されているようで、ロウバイを見掛ける機会は少ないのですが、幸いなことにほぼ満開状態のロウバイに出会うことが出来ました。
当たり前のことですが、花が終わると果実が出来ます。
果実は冬になっても開いたりせず、落下するようなこともありません。枝についたまま残って一年後の春になってやっと落下します。
今、遠目には去年の果実がミノムシ(蓑虫)のぶら下がる様に見えます。果皮はなくなり繊維だけになっていますが、裂開はしていません。
ネットで検索していると、このミノムシに似た果実がイカ(烏賊)に見えるという面白い記述がありました。果実の先端に残る縮れたオシベの痕跡がイカの脚に見えるというものですがどうでしょう。
長さ3~5㎝の楕円形の果実、果たしてイカに見えるでしょうか。
さらに興味深いことがもう一つ。
果実の中にはゴキブリの卵を連想させる種子が入っているということで、さっそく果実を採取して裂開してみました。
なんと、なんと、似ています。種の長さは1.2~1.5㎝。
ほんとにゴキブリの卵そっくりでした。
果実は楽しく花は可憐、色々と興味をそそられますが、ロウバイもソシンロウバイも全株有毒で注意が必要な植物だということです。
放牧中に種を食べた家畜の中毒事故も実際に起きているそうで、とくに葉と種子の毒性が強いと言われています。