寒さと暖かさが交互にやってきてはいるけれど、日一日と春の気配が濃くなる今日このごろ。
暖かさで畑の冬野菜がとう立ちしはじめ、食感も味も落ちてくる。去年12月に定植したそら豆や絹さやの収穫はもう少し先。収穫できる野菜が少ない今の時期は、端境期と呼ばれる。この期間を少しでも短くしようと、より長く収穫できる種を選抜したり、品種や技術の改良をして、昔から農家さんたちが工夫してきた。
一方、端境期に合わせるように、山では野草や山菜の旬を迎えることになる。
ヨモギ ユキノシタ ツクシ フキなどの野草は、近所を歩くだけでたくさん採れる。もう少ししたら、イタドリや筍もよく見かけるようになるだろう。
この日は、友人家族たちとお外で野草ランチ会。
まずは食材を探しに、その辺を散歩。
これ食べられる?あの草、美味しそう!普段見向きもしない道端の草も、「美味しいかも」と思いはじめると、途端に興味が湧く。食べられる野草を食べられるだけ採って、ついでに可憐な花や小さな虫たちも観察して、いのち溢れる春先の自然を楽しんだ。
戻ってきたら、皆で下処理。これが少し手間なんだけど、美味しいご飯のためなら頑張れる。泥や根っこ、固い部分を落として、天ぷらにする。
揚げたてサクサクの天ぷらと自家製たくあんなどの常備菜、持ち寄ったサラダなどをあわせて、はい出来上がり。盛り付けると、見た目も春らしい、色鮮やかな一皿になった。空腹も手伝って、どの野草も美味しい。ただ、アザミの葉っぱはトゲがあって、食べにくかったので、次回は気をつけよう。
野草独特の苦味は、この時期に無性に食べたくなることがあって、身体に必要なんだなと分かる。
畑に野菜がない季節には、山で野草や山菜が育つ。日本の風土が育んだ食文化は、僕らの心身も育ててるのだ。
山菜の旬は短い。時期には、山で山菜を収穫する人をよく目にするようになる。ただ、生えているからと言って、勝手に採ってはいけない。どの山にも持ち主がいるし、そこで毎年採っている方がいるかも知れないから、確認が必要だ。