とさちょうものがたりには、土佐町の昔の写真を紹介する「みんなのアルバム」のコーナーがあります。
先日、土佐町小学校3年生の社会科の授業で「みんなのアルバム」の記事が使われました。
古い写真、ありませんか?
1月初旬、土佐町小学校3年生の担任の大利先生から土佐町教育委員会に連絡がありました。
「昔の町の写真はありませんか?」
ちょうど、土佐町の絵本を作るために昔の町の様子がわかる写真を集めていた編集部。そのことを知る教育委員会からお話をもらい、編集部は、すぐ先生に連絡をしました。
3年生の社会科
3年生は、社会科で自分の町の様子を勉強します。スーパーや消防署などの施設の見学や、稲村ダム、湖畔りんご園などを訪れ、一年かけて町のあちこちで話を聞いてきたそうです。「昔の土佐町の暮らしの様子を子供たちに伝えるために、写真があればいいなあと思って」と、大利先生。編集部が「みんなのアルバム」の話をすると、先生はすぐに記事を見てくださり、「わ!いいですね!子供たちに見せます!」ととても喜んでくださいました。
1月31日、先生に許可を得て、社会の授業を見学させていただきました。
教室には大型テレビがあり、そこにパソコン画面が映し出されるようになっています。
画面に映っているのは、「みんなのアルバム」の「山中百貨店」の記事。記事には店の昔の写真と現在の様子がわかる写真の両方が掲載されているので、子供たちは現在の写真を見て、この店が町のどの辺りにあるのか、すぐわかっていました。
昔の写真に今もある道や山の形、川や橋など、今の子供たちが見ている風景と重なる箇所があれば、今と昔が繋がりやすい。繋がると、教科書上のことでなく現実となり、自分ごとになります。
「あ、ここ、知っちゅう!」
「えー!こんなやったが?」
他にも「冨士見館」の写真を見て、「旅館の前の道が土の道や!」などなど、思うところを話す子供たち。素直な反応が微笑ましかったです。
「僕たち!」
授業の最後に、先生は子供たちに問いかけました。
「昔の人たちが一生懸命働いて、店や場所、土佐町をつくってきました。これからの土佐町をつくっていくのは、誰ですか?」
その問いに子供たちは即答していました。
「僕たち!」
その声がどんなに頼もしかったことか。そして同時に、今の大人に託されている責任も強く感じました。
いかなる時も「今」は昔と一続きです。昔があるから今があり、「今」を積み重ねた先に未来があります。子供たちは未来であり、希望そのものです。
今自分が立っている場所は、昔にも未来にも繋がっている。そのことを子供たちが少しでも感じてくれたら嬉しいです。
そして、「一続きだからこそ、今何をするのか?何を積み重ねていくのか?」。
一人の大人として、その問いを心に刻み続けたいと思います。