「最近編んでる?」「まぁ、編んでるよ」
ふと耳に入ってきた言葉。
この時期編むといったらマフラーかな?セーターかな?
これは、集落支援員さんの会話。
下瀬戸・黒丸と南川には、土佐町の中心部から車で1時間かかるのだが、それぞれ集落支援員さんがいる。
集落支援員さんは、地域に入って活動し、地域の現状や課題を把握して、どう対応していくかを役場と一緒に考えてくれる頼もしい存在。
そんな集落支援員さんは何を編むのか。
「背蓑(せみの)」だ。
農作業の時に、日よけや雨よけのために背中に背負う「蓑」。
下瀬戸・黒丸、南川地区では以前は背蓑の作り手がたくさんいたけれど、今ではたった一人しか作っていない。
そこで「背みのづくり保存会」というのを作って、その技術を教えてもらっているのだそう。
背蓑の原料は「菅(すげ)」という植物。
「良質な菅は寒い高地で霜が降りたやつなんやけど、最近あんまり取れんでね。低地のでも作れるけど、そういうのは何年かしたら萎れる」
とのこと。
「最近編んでる?」「編んでる編んでるー」
編んでいるのは、まさかの背蓑。
なんだかちょっぴり かっこいい。