近所に住む上田房子さんは私の師匠でもあり、今までたくさんのことを教えてもらってきました。
(房子さんのことについて書いた記事はこちら)
毎年この時期になると、房子さんの作業小屋の軒下に干し大根が吊るされます。
その光景を見ると「ああ、今年もこの時期がやってきたんだなあ」と思うのです。
そして「一年という時間がめぐったんやなあ」としみじみします。
太陽の光を浴びて風に揺れながら、真っ白だった大根の形も色も少しずつ変わっていきます。
房子さんは何十年もずっとこのやり方で干し大根を作ってきたそうです。
種を蒔き、育てた大根を畑からとってきて、自分の田んぼのお米のわらを綯って(なって)つくった縄に大根を通していく…。
なんて素晴らしいんだろうと思いました。
無駄なものはひとつもなく、身の回りにあるものを工夫して使うこと。
身の回りにあるものからまた新たなものを作ること。それは、ずっと昔から引き継がれてきたこの地の素晴らしい文化のひとつだと私は思います。
房子さんの根気強い(?)教えのおかげで、私もわらで縄を綯えるようになりました。
房子さんの技、房子さんがこうやって教えてくれた、ということをかたちに残したいとずっと思ってきました。
今日も房子さんの小屋の軒下では、吊るされた大根が太陽の光を浴びているでしょう。
今年も房子さんと大根を干すことができたことに、心から感謝しています。
房子さん、また来年も一緒に干し大根、作りましょうね!
どんな風に干し大根用の縄を綯っていくのか…。房子さんの手の動き、ぜひご覧ください。