虫送りは、植えたばかりの田んぼの苗が虫の被害を受けることなく無事育ち、豊かな収穫を迎えられるようにと祈願する行事だ。法螺貝や太鼓などを鳴らしながら、色とりどりな旗と大きな草鞋を掲げて、西方向へ進む。
行事は東の集落から西の集落へとバトンタッチするように続いていく。同じように見えるけれど、集落によって特色があって見比べてみると面白い。西へ西へ歩くのは、虫をそちらへ追いやるということらしい。
6月29日、隣の集落で虫送りがあった。
朝集まって、旗を持ち、音を鳴らす。大人も子どもも一緒に旧道をゆっくりと歩く。沿道には見送る人や写真を撮る人がいる。小さな集落の、のんびりした神事。こんな雰囲気が好きだ。
今年は、例年より20日以上も遅い梅雨入りとなった高知県。この日は青空も見え、暑いくらいだった。
15分ほど歩いて目的地に到着。子どもたちは参加賞をもらっていた。
集落ではこの日、田休みも兼ねているようで、忙しかった田植えの労をねぎらう会がお昼からあった。残念ながら、僕たち家族は他の用事があったので、参加できなかったけれど、たくさんのご馳走とお酒が振る舞われたようだった。
どの行事にも言えるけれど、高齢化と少子化が進み、昔に比べてだいぶ寂しくなったと聞く。それでも、今年も皆元気で行事に参加できたことに感謝する。
秋にはたくさんの恵みがありますように。