久々にやっちまいました。
もう何年も羽釜で炊飯をしているけど、稀に(本当に稀に)ご飯を焦がして、重度のおこげを作ってしまうことがある。いつもと同じように焚いているつもりなのに、薪の具合とか、浸水の具合とか、気の緩みとか、そんなことが原因なんだろう。
焦げ臭い!と気づいたときはすでに手遅れの場合が多い。
慌てて軍手を着け、速やかにかまどから降ろす。事実から目を背けたいので、しばらく放っておく。願いが叶うのなら「なかったこと」にしたい。だって、この羽釜は二升炊き。大量のお米を無駄にしてしまったかもしれない。普段子どもたちに「お米は一粒たりとも粗末にしないこと!」と躾けてる父ちゃんとしては、立つ瀬がない。
とはいえ、ずっとそのままにもできないので、えいやと蓋を取り、まずは焦げていない部分をしゃもじで保温ジャーに移す。次はおこげの番だ。
しばらく置いておいたので、釜の中が蒸れて、おこげが取れやすくなってるのはせめてもの救いか。
剥がしたのをバットに並べて、天日に干しておく。
そのうち奥さんが気がついて、僕の心情を察し、静かに料理してくれる。
定番は、おこげせんべい。
油でじっくり揚げて、塩や醤油を振りかければ、カリカリで香ばしいせんべいの出来上がり。
「このせんべい、こげてる〜、にが〜い」という子どもたちのツッコミに、「そ、そうかな。おいしいけどな」と小さい声で答えつつ、いつもより食べる速度が速い父ちゃんなのであった。