「しいたけ、いるかよ?」
今年もこの季節がやって来た。
近所のおばあちゃんから袋いっぱいのしいたけをいただいた。
「しいたけを裏側にして干すと赤くなるき、上を向けて干すとえい」と教えてくれたので、早速茶色のかさの方を上にしてエビラに並べる。
遊びに来た小さな子が「パン、いっぱい!」と指差した。
確かに、こんがり焼けた丸いパンがたくさん並んでいるみたい。
しばらく良い天気が続く時は、天日干しの干し椎茸ができる。
天気があまりよくない時は、乾きやすいように薄くスライスして干したり、雨が続く時は冷凍しておく。
うちの裏山でもしいたけを作っていて、おばあちゃんがしいたけを持って来てくれた日に山へ行くと、あるわあるわ、駒打ちした原木からしいたけがいくつも、あっちにもこっちにも出ていた。
もう見事としか言いようがない。
どうしてしいたけたちは、今この時に一斉に大きくなるのか。
しいたけたちが、もしちょっと時期をずらしてくれたなら夏にも冬にも新鮮なしいたけが食べられるのになと思うけれど、しいたけの旬は春と秋。それは決めているらしい。
だから今、あっちの山でもこっちの山でも、しいたけラッシュ。
あっという間にカゴがいっぱいになった。
家にある全てのエビラと丸いざるを総動員してしいたけを干す。
一体いくつあるのかと試しに数えてみたら、なんと193個もあった。
しいたけを作っていないお友達にあげるととても喜んでくれる。
上手に干せたら遠くに住んでいるお友達に送りたい。
「しいたけ、いる?」
これはこの季節のご挨拶。
昨日はしいたけごはん、今日はひじきの煮物にしいたけを入れた。明日はバター醤油炒めにしようかな。
しばらくしいたけと向き合う日々が続く。