本日、2019年1月24日も晴天なり。
絵描きの下田昌克さん、土佐町滞在4日目です。
今日は土佐町芥川にある高峯神社へ。
高峯神社は約800年前からこの場所に建ち、明治時代に建て替えをし、今に至っています。
高峯神社の守り人、筒井賀恒さんが案内をしてくれました。賀恒さんは70年間、地域の人たちと共に高峯神社を守り続けています。
賀恒さんには今まで2度、高峯神社を案内してもらったことがあります。賀恒さんは土佐町史を読み込んでいて、この地に伝わる伝説や史実をいくつも話してくれました。今まで知らなかったことを知ると、今まで何度も通ったことがある道や目の前に広がる風景が、昨日とは違ったものに見えるのでした。
一緒に来てくれた89歳の川村武利さんも高峯神社にまつわるお話をしてくれました。
お二人とも80代の人生の大先輩。軽やかな足取りで、岩や太い木の根っこでできた参道をのぼっていきます。(ゼイゼイしていたのは、下田さんと編集部…)
この場所にはいつも気持ちのいい風が吹いています。
昔の人もきっと同じ風を感じていたことでしょう。
「とさちょうものがたり」がシルクスクリーンでタッグを組んでいるどんぐりへ。
下田さんが描いてくれた絵を、これまでポロシャツ、Tシャツ、トートバックへどんぐりのみなさんがプリントしてきました。下田さんは、どんぐりのみなさんのプリント技術のクオリティーがどんどん高くなっていっていることを「すごい!楽しみだね!」と喜んでくれています。
どんぐりのみなさんからパンをいただきました。ありがとうございます!
一昨年、下田さんの展覧会を開いた青木幹勇記念館へ向かいました。
記念館の田岡三代さんが美味しいコーヒーいれて迎えてくれました。
夕方、シルクスクリーンの作業場で下田さんが絵を描いていると、隣の家に住む山中さん、娘さんの結花さん、結花さんのお子さんが3人で作業場を訪ねてきてくれました。
「下田さんにサインしてほしくて…」と結花さんは下田さんの著書「PRIVATE WORLD」を小脇に抱えていました。
里帰り出産のためにただいま土佐町に帰省中の結花さん。この本は結花さんが学生時代に購入したもので、土佐町の実家に置いておいたのだそうです。
下田さんのこの本は17年前に出版されたもので、この本が下田さんのデビュー作。
17年後、高知県の土佐町という町で、自分の本を手にした人が会いにやって来ることを下田さんは想像できなかったでしょう。
でも、きっとこうなるようになっていたのだと思えます。
下田さんがその本に結花さんと結花さんのお子さんの絵を描きました!
絵を描く姿を見つめながら山中さんが「涙が出そう…」とつぶやきました。その気持ち、何だかわかるような気がします。
一冊の本がこの世の中に生まれるということは、きっと未来をつくるようなこと。まだ見ぬ誰かとこれから出会うきっかけや、誰かに喜びを届けるものにもなるのです。
明日はいよいよ最終日!
どんな1日になるでしょうか。楽しみです!