今回の一枚は、旧地蔵寺小学校(現 地蔵寺支所)にあったアルバムから。
「新しくできた預金室での初預入れ」という覚書が添えられた写真です。
時は、昭和40年代(1960年中頃〜1970年中頃)、旧地蔵寺小学校には「すみれ子供郵便局」がありました。
1週間に一回、「貯金の日」があり、その日にはお小遣いと自分の通帳を持って校舎内の「すみれ子供郵便局」へ。
郵便局の窓口で働いているのは子供たち。お金を数え、通帳に貯金額を記入、お金を金庫に保管するという重要な役割を果たしていました。写真をよく見ると、筆や鉛筆で記入している様子がわかります。顔は真剣そのもの!
金庫に入れたお金は、本物の郵便局員さんが取りに来て、郵便局で保管していたとのこと。修学旅行の資金にしていた子供もいたとか。
なんとも面白い取り組み!
この「すみれ子供郵便局」は1951(昭和26)年から始まり、1971(昭和46)年10月には「優良子ども銀行」として表彰され、子供たちは旧大蔵省で賞状をもらったそうです。
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窓口を訪れた子供たちの羨望の眼差し(?)を受けながら、「窓口」「検査」の仕事に取り組むすみれ子供郵便局員
約60年後、キャッシュレスで買物する時代になろうとは、この頃は想像もしていなかったはず。今の子供たちも「すみれ子供郵便局」のような取り組みをやれたらいいですね。実際にお金のやり取りをし、責任と自覚を持って自分でお金を管理する経験は、将来きっと役に立つはずです。
もし今も「すみれ子供郵便局」の通帳を持っているよ〜!という方がいましたら、ぜひ、とさちょうものがたり編集部へご一報ください!