今日は地図上の「6」の場所にある石碑についてのお話です。
(「高峯神社への道 その5」はこちら)
道をさらに進み、6つ目の道しるべへと向かう。
午前中の早い時間のこの道は、立ち並ぶ杉の間からこぼれてくる光に満ちていて、いつも本当に美しいと思う。
道の途中、いつも車をとめて深呼吸する場所がある。昔の人も同じだったんじゃないかなと思うと何だか楽しく、この地で暮らしを重ねてきた人たちの気配を感じる。
左手にコンクリートの壁が見えて来たらこれが目印。6つ目の道しるべは倒れるようになりながら、なんとかここに建っている。
石碑の横にある細い道があって、これが昔の道なのだと賀恒さんは教えてくれた。
「2つ目の石碑がある石原から山を越えて、道はずっとここへ来ちゅう」
「これより 三宝山へ 十丁 相川谷中」
「さっきより近うなったぜ。十丁は600間(けん)。自分らは小学生の時、尺貫法を習ってるのよ」
高峯神社まであと1キロちょっと、というところだろうか。
この石碑の向かいには、下からあがって来る山道がある。この道を「尾根伝いに降りていったら西石原のしもへ着く」のだそうだ。
「道路ができて、道路しか通らんけんどね。昔の道がちゃんとあったんですね」と賀恒さん。
昔の人は、よくこの道のりを歩いたなあと思う。ひとつひとつの石碑をたどりながら自分に言い聞かせるように、あともう少し、もう少し、と遠い遠い高峯神社までの道を歩いていたのだろう。
(「高峯神社への道 その7」へと続く)
井上 康夫
さっきより近うなったぜ。十丁は60間(けん)。の文は表記ミス、十丁は600間になる。
以前の文に書いてあるように1丁は109m、1間は1.818m従って60間で丁度1丁の長さになる。
登山でよく山に行くので道標があると後どのくらいかと見当をつけることが出来る。
石垣ほかの構造物を目にすると、昔の人は本当に偉かったと敬服する。
鳥山百合子
井上康夫さま
コメントありがとうございます。ご指摘いただいたように「一丁が60間」であるため、十丁は「600間」になりますね。こちらの間違いです。申し訳ありません。
一丁は約109m、十丁だと約1㎞という距離ですね。昔の人は本当に偉かった、と私もそう思います。この地で生きた大先輩たちがいたからこそ、今の町の姿があるのだと思っています。
ご連絡をいただいてありがとうございました。