旧森小学校への通学路、直線コースに入った辺りの中ほどに、「かじ」を蒸す場所がありました。
朝早くからおばさん達が集まり「かじ」を蒸すのです。
早朝の寒さの中、薪のはぜる音と笑い声、楽しげで、華やいだ雰囲気だったのを覚えています。
いわば、その時期の風物詩だったのですが、登校時の通学路が密度の濃い空気で満たされ、小学生の私はその独特の臭いに辟易していたように記憶しています。
大きな桶状の物体がカパッと開いた瞬間、サウナ状態の中「かじ」が束にされ、潔くまっすぐに並んでいたのを、何度か目撃しました。
あの桶の中には実は楽しい秘密が隠されていたそうです。
副産物として、そこで「さつま芋」を蒸かしていたらしいのです。
大人になってから知り得た事実です。
一仕事終わった後の「さつま芋」はきっと美味しかった事でしょうね。
お相伴にあずかりたかった。
遠いむかしの懐かしい記憶です。