「季節のおうち寿司」 岡田大介 PHP研究所
「お寿司を作ること」。何だかちょっとハードルが高いな…と思いがちでしたが、この本は「いやいや、そんなことないかも!」と思わせてくれました。
手まり寿司やばら寿司、飾り巻き寿司など、華やかなお寿司たちの材料は馴染みあるものばかり。家にあるものでできる!と思えるのがまず良いです。そして何より良いのは、各材料が「適量」であること。これは、量は好き好き、適当でいいよ〜ということなので、目分量料理専門の私にはぴったりです。
まず作ってみたいのは「笹の葉寿司」。笹の葉に寿司飯をのせ、サケ缶やかぼちゃのペーストをのせて包む。笹の葉はこの辺りでは取り放題、他の具材でも作れそうです。
そしてもう一つは「ゆうれい寿司」。まずこのネーミングが秀逸!
山口県宇部市には「ゆうれい寿司」という名の郷土寿司があるそうで、具材を混ぜたりのせたりしていない真っ白な酢飯だけを型に入れて作るのだそうです。江戸時代の中頃から作られているとか。具材が全くない酢飯だけなのに、これは寿司だと言い切るのが潔い。昔はお米だけでもご馳走だったのでしょう。「ゆうれい寿司」、これだけで宇部市に行ってみたくなります。この本では酢飯に干し椎茸やにんじん、きゅうりなどの具材を重ね、その上に酢飯をのせてサンドイッチのように挟む作り方が紹介されています。
とさちょうものがたり編集部で製作した「高知の郷土料理」の動画に登場する、津野町の「田舎ずし」、宿毛市の「きびなごのほおかぶり」も紹介されています。
「家で一緒にごはん食べよう!」と気軽に言える日が来るまで、いくつかお寿司を作れるようになっていたいです。もちろん、目分量で!