昔、野中兼山と言う人が新井堰を作った時、何べんついても堰がこわれるので、まもり神として蛇を入れた。
そうしたら堰がこわれずに完成したと言われています。
今でも床鍋の新井堰の附近にいる蛇には片目のものが多いと言われています。
堰の上の方に蛇神さまと言うのを祭ってあります。
今でもこの近くの畑で蛇を見つけたりした時には、蛇神さまにお供えものをして出て来ないようにお願いする風習があると言います。
また、この堰に放尿(おしっこ)すると雨が降るとか、片眼の蛇がこちらのヒノジ(日あたりのよい側)から対岸の陰地(かげじ)へ渡っても雨が降ると言い伝えているそうです。
桂井和雄 (「土佐の伝説」第二巻より)