土佐町の青木幹勇記念館に育つ八重桜が、今年も見事な桃色の花を咲かせました。
「何人かの人が、桜の花を塩漬けにしたいからって取りにきたよ」
記念館の田岡三代さんがそう話してくれました。
「桜の塩漬け」と聞いてまず思い浮かぶのは、あんぱんの真ん中に乗っている桜の塩漬け。なんと、お茶にもできるとのこと。お祝いの時に飲み、「桜湯」と呼ばれているそうです。
これは、ぜひ作ってみたい!
次の日の天気予報は雨、今日取らないと散ってしまうのは確実です。ということで、急遽、桜の花の収穫をしました。
目の前の花は満開!本当は五〜七分咲きの時に塩漬けにすると良いそうですが、これで作ってみましょう。木に登って摘んでいたら、記念館のお客さまが一緒に摘んでくれました。
桜の塩漬けの作り方
桜の塩漬けの材料は、桜、塩、酢の3つです。
摘んだ桜は、なるべく花びらが散らないよう、そっと水洗いして水を切ります。(手で絞らないように)
水切りした桜に、桜の量の半分くらいの塩をまぶします。ボウルをそっと揺らして、全体に塩が行き渡るようにします。30分程すると水が出てくるので、その水を捨て、また塩をまぶします。
しばらくすると、また水が出てくるので水を捨てます。
今度は、桜と同じ分量の塩をまぶし、酢を50mlほど加えます。(すみません、かなり適当です…)
バットを揺らして全体に行き渡るようにします。
密封できる袋に入れて、涼しいところへ置きます。時々ひっくり返したり、出てきた水分が全体にいくよう馴染ませます。
こちらは、塩漬けしてから1週間経ったもの。ピンク色が鮮やか!塩漬けすることで、香り高い桜へ変化します。
気持ちの良い風が吹く天気の良い日に干します。一つずつ広げながら干すのは少し大変ですが、とにかく香りが素晴らしいので頑張れます。
干した後ふと思いついて、袋の底に残った水分をビンへ、水分を吸ってどろりとした塩はバットへと分けました。
ビンに入れた水分は、勝手に「桜水」と呼ぶことにします。緑茶に少し加えてみたら、何とも上品なお茶になりました。
バットに広げた塩は、1日干したら水分が抜け、桜色の塩に。まるで満開の桜の色のよう。こちらは「桜塩」と名付けました。この塩を少し手に広げ、塩むすびならぬ「桜塩むすび」を握ってみたら、ほんのり桜の香りが。お花見をしているような気持ちになれます。
干した桜は、瓶などに入れて保存します。
友人は塩抜きした桜を刻み、イタドリも加えて混ぜご飯にするとのこと。こちらもぜひ試してみたいです。
春の桜を一年中楽しめる、桜の塩漬け。塩漬けすることでできる副産物の「桜水」と「桜塩」もうれしい。
おにぎり、お茶、混ぜご飯、パンやお菓子…。これから、色々と活躍してくれそうです。
毎日をちょこっと楽しくしてくれるものが、またひとつ増えました。