フウロソウ科フウロソウ属のゲンノショウコには赤花と白花があります。
東日本では白花が多く、西日本では淡紅色、日本海側では紅色の花が多く分布しているといわれます。
土佐町には赤も白もあり、多く目にするのは赤い花の方です。やや色が濃く、紅紫色というのが適切かもしれません。
ベニバナゲンノショウコ
一般的に、白花と区別してベニバナゲンノショウコと呼ばれます。
花の直径は1~1.5㎝。花びらの筋模様と濃い紫色の雄しべの葯が目立ちます。
シロバナゲンノショウコ
シロバナゲンノショウコは花びらが真っ白で、筋(すじ)と葯(やく)がさらに目立ちます。
花の色以外に違いはありませんが、この白花によく似た植物がほかに一つだけあります。
フウロソウ属の仲間のコフウロ(小風露)です。
コフウロ
花は色も大きさもほとんど変わりありません。
葉は、両者似てはいますが大きな違いがあります。ゲンノショウコが掌状に3~5裂するのに対し、コフウロの方は3全裂します。
葉の基部をじっくり見てもらえればその違いが分かるかもしれません。すっきりと3個に分かれているのがコフウロです。ゲンノショウコの方は基の方がくっついています。
ゲンノショウコは昔から胃腸病に効く薬草として有名で、煎じて飲むとその効果がすぐ現れるところからその名がついたそうです。薬用効果が確実に現れるので「現の証拠」という訳です。
ドクダミ科のドクダミ、リンドウ科のセンブリとともに日本三大薬草の一つといわれており、イシャイラズ(医者不要)という別名もついています。
ゲンノショウコにはもう一つミコシグサ(御輿草)という別名があります。
ゲンノショウコの果実

2019/10/30撮影
長いくちばし状の果実は、熟すと下部から5つに裂開し、裂片は種子を1個ずつ巻き上げて飛ばします。種を飛ばした後の姿が御輿の屋根を連想させるということから命名されたものです。
ユニークな形です。
夏から秋へ模様替えを始めた里山は今花だらけです。ゲンノショウコのそばにもいろいろな花が咲いています。
そのいくつかを掲載します。

ヒガンバナ(彼岸花 ヒガンバナ科)

イタドリ(虎杖 タデ科)

ヤブツルアズキ(藪蔓小豆 マメ科)

ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草 ユリ科)

ツルニンジン(蔓人参 キキョウ科)