「だからさ、ようすけさん、シルクスクリーンやろうと思うんだ」
笹のいえに遊びに来た石川拓也からいつもの口調でこう言われたとき、「は?なんでシルクスクリーン?」って思った。でも「この人、また面白いことやろうとしてるな」とも思った。
話は少し遡って、あるイベントで自給自足の話になり、僕が「衣住食の中で、衣が一番難しい。綿を育てるところから始めたら、服になるまではたくさんの工程がある。一方で世の中には着られずゴミになる服が山のようにある」というようなことを言っていたらしい。当の本人が覚えていないのだから、いい加減なもんであるが、この話に感銘を受けた(?)拓ちゃんの冒頭の発言となる。
衣類やアパレル業界の現状を語るとき、安価な服が環境に与える影響や過酷な条件かつ低賃金で働く労働者や幼い子どもたちの問題が取り上げられる。これに対し、高価だが、環境や労働者から搾取しない会社の服を着ようというキャンペーンを目にする。フェアトレードやエシカルという言葉も聞こえてくる。
「でもさ話が大きくなると難しくなっちゃうから、もっと単純明快に楽しく無理なくアクションしたいよね」なんて話もした。
それが、「たんすに眠っている服にシルクスクリーンして、着ちゃおうぜ!」ってこと。
イベント当日の様子は別記事を読んでもらって、個人的には終わってからもじわじわと余韻の残る経験だった。「買いもしない、捨てもしない」って、超イケてないっすか?
実際、着古した服ってすごくイイ。
・着た瞬間カラダに馴染む
・着ていた当時の記憶が蘇る
そして、どうせ着てなかった服だから、シルクスクリーン失敗しても惜しくない。
この日、笹のいえのロゴを初披露した。同じ町に住むイトウメグミさんのデザインで、文字はアーティスト・ショータ君が描いてくれた。判子のような雰囲気で、笹のいえのイメージにピッタリ。これから眠ってる服を引っ張り出して、どんどんプリントしたい。
高知の小さな町ではじまった「古着を着なおす」というアクションが、服にまつわる世界的な問題を解決することは難しい。けど、シルクスクリーンした人が、楽しい!って思ってくれたら、このイベントは大成功なのだ。
シルクスクリーン・イベントについては以下から↓