分類ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草
分布高知県を中心に愛媛県・徳島県の低山の林床に生える多年草
概要花期は5~6月
撮影土佐町大渕/2021年5月、2022年6月
学名はAsarum sakawanum Makino。
牧野富太郎博士が1895年(明治28年)に郷里の佐川町で採取した標本を基に植物学雑誌に発表したそうです。
分布の限られた植物で全国的に希少な植物です。環境省では絶滅危惧種、高知県では注目種として取り扱われます。
土佐町では大渕の道路沿いと徒歩15分ほどの田井の山中の2箇所で生息が確認されています。
一風変わった花を咲かせます。
牧野植物園では毎年5月頃になると鉢植えのサカワサイシンを展示しますが、今年も巨大な花が咲き誇っていました。展示は花の位置が目の高さになるように工夫されており、花の様子がよく分かるようになっています。
とても特異なこの花に魅せられる人も少なからずいるようです。
カンアオイの仲間は花が地面近くに咲くので、漫然と歩いていて花を見つけることは出来ませんが、葉っぱは目立ちます。もしも葉っぱを見つけたら、葉の下の落ち葉や土をかき分けて花を観察してみてください。
サカワサイシンの他に土佐町で確認されているカンアオイ属はナンカイアオイ(南海葵)とフタバアオイ(双葉葵)があります。葉も花もそれぞれに様子は異なりますが、いかにも「これがカンアオイ属か!」といった独特の雰囲気が漂っています。
<注意>カンアオイ属の植物は名前の後に「○○サイシン」「○○アオイ」「○○カンアオイ」の3つのうちのいずれかがついていますが、あまり明快な意味はないようです。