分類タデ科イヌタデ属の多年草
分布ヒマラヤ地方
概要花期は4~11月
撮影土佐町中島/2023年12月
地蔵寺川下流の北岸、土佐町の樺地区から中島地区にかけて設置されている護岸の擁壁に紅葉したヒメツルソバが面白い形で点在しています。
コンクリートの法面では楕円状に点々と、根っこが侵入できる隙間の多いブロック張では一面に、冬の暖かい日差しを浴びて這うように広がり、なんとも愛らしく張り付いているのです。
ヒメツルソバはヒマラヤの低い標高地が原産で少々の寒さには負けません。
4~11月が花期とされますが、日当たりの良いコンクリートの隙間や民家周辺の庭先や石垣、溝などには一年中生えていることもあります。
非常に生命力が強く、病害虫の心配が少なく肥料もあまり好まない植物のようです。
日本には明治時代にロックガーデン用(観賞)として導入され、グラウンドカバーとして用いられることもあり、その強い生命力を背景に各地で空き地や道端などで野生化しています。
もうすでに厄介な雑草扱いになっていることの方が多いのかも知れません。
小花が多数集まった直径1㎝ほどの花を咲かせます。開花直後はピンク色、徐々に色が抜けて白へと変化します。
暗い紫色のV字模様のある緑色の葉が紅葉して花色といい具合に調和しています。
ヒメツルソバは花も葉もイヌタデ属のツルソバ(蔓蕎麦)やソバ属のソバ(蕎麦)に似ていることからつけられた名前ですが、ツルソバは土佐町には自生していません。
ここの擁壁には中央アメリカ原産のペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)もくっついていました。この植物も多様な環境に適応する高い生命力を持っており、ヒメツルソバ同様にほとんど年中花が見られます。
花びらの色は白色から徐々に赤みを帯びていき、いつどこで見ても白とピンクの花が一緒に咲いている様に見えます。