土佐町では、年末に「紙の門松」が配られます。
その名の通り、紙に門松の絵が印刷されたもので、いつからか土佐町役場が全戸配布するようになったそうです。
今から10年ほど前、この紙の門松の配布をやめたところ、町の人から何本もの電話がかかってきたそう。
「毎年楽しみにしていたのに、どうして今年はないのか?」
「紙の門松を飾るのを楽しみにしていた。また配ってほしい」
その声の多さに驚いて、また次の年から復活。今年も、年末の地区会を通して全戸に配られました。
紙の門松、とは?
先日、高知新聞でこの「紙の門松」が紹介されていました。
1952年、高知市の「共和印刷」という会社が刷り始めたとのこと。盆栽が好きだった創業者が、お正月が終わった後に大量に捨てられている門松を見てもったいないと考案。紙に門松を印刷して、近所の人に配ったのが始まりとのこと。毎年、共和印刷では、次の年への願いを込めて新たにデザインを考案しているそうで、今年の門松は「コロナ収束をより強く願う気持ちを込めて、いつもの2倍ぐらい太い竹と文字を描いている」のだそう。
配られた「紙の門松」は、近所の集会所の入り口にも飾られていました。
来年もいい年になりますように、と優しく見守ってくれているようです。「紙の門松」の存在が、高知県の風土とそのもとで暮らす人たちの人柄を現しているように思え、温かい気持ちになります。
高知のお正月の風物詩「紙の門松」。
とさちょうものがたり編集部の玄関にも飾りました!
お正月の足音が、すぐそこまで聞こえています。