これが『お母さんの台所・皿鉢料理編』の最後の記事になります。
教えていただいたのは、土佐町地蔵寺地区にある長野商店店主、長野静代さん。
長野さんは40年間、美味しいお寿司やお弁当、おかずを作り続けてきました。
皿鉢料理の作り方を教えていただく前に、長年痛みをこらえてきた右手の筋が切れてしまったと聞き、長野さんが治ってからまたお願いしようと思っていましたが、長野さんは「大丈夫、やりましょう」と言ってくださいました。迷いましたが、そのお言葉に甘えさせていただくことにしました。
それが2017年3月。
その時の記録が『お母さんの台所・皿鉢料理編』です。
「皿鉢料理 その2 さば寿司の作り方」に、さばに寿司飯を詰めるところの動画を入れたかったので、日をあらためてもう一度撮影させていただいたりもしました。
その時はもう5月になっていて、3月の時にはまだなかった山椒の葉を寿司飯の中に刻んで入れ、初春から新緑の季節への移り変わりを感じたことでした。
長野さんが長年培ってきたこの技と味、40年間毎日台所へ立ち、美味しいものを作り続けてきたことを、しっかりと残しておきたかった。その思いで、この『お母さんの台所・皿鉢料理編』を作りました。
作り方や味付けに正解はなく「自由に、やりたいようにやったらええのよ」と長野さんは教えてくださいました。
この皿鉢料理の向こうに、たくさんの人たちの笑顔が見えます。
長野さんはそれを見つめながら、40年間作り続けてきたのだろうと思います。長野さんには本当にお世話になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。