「教育は遺伝に勝てるか?」 安藤寿康 朝日新聞出版
著者は行動遺伝学を専門とされている方です。果てしなく先祖へと遡るDNAが存在するなかで、どの因子がどの組み合わせで作用してくるか…。これは偶然の産物のような結果であって、丸ごと親のDNAが遺伝する訳ではない。
一卵性双生児と二卵性双生児の研究結果も載せられている。一卵性双生児の場合、無意識下での一致が数多くみられ、遺伝の一致が推論できる。二卵性双生児になると確率はやや落ちてくるそうだ。
環境と教育によって、遺伝された部分が伸びゆく可能性は強い、相互に作用すると考えられる。感じたり、考えたりするその仕方に、その子自身の遺伝的素質が反映されている。
両親から譲り受けた遺伝子を、新たに組み替えて出来上がった、その子独自の遺伝的素質により、学習・経験を通して能力を獲得していく。歳を重ねるに従い、遺伝の影響は強くなってくるらしい、共有環境の影響が薄れていくという行動遺伝学の結果と一致してくるそうだ。
歳を重ねた現在の私は、果たしてどのような遺伝の影響を受けているのだろうか…?と振り返ってみた。