「畑の一年」 向田智也 小学館
この春、畑で苗から育てて立派なキャベツができた! はじめての収穫体験は想像以上にうれしかった。もしかして、子どもを立派に大人に育て上げたような達成感に似ている‥のかな?? まだ育児は道半ばで、その達成感を味わうにはまだまだ時間が要るけれど。
しかしキャベツは立派に育ってすっかり食べ去り、こんなわたしでもあんなものができるんだ!とおおきな歓び、ちいさな自信へとつながった。またせっせとさつまいもやら生姜やら頂いたスイカ、オクラ、ナスの苗を畑に植えた。
元気がないとき、草むしりをする。 むしりまくっているうちに、元気が出てくる。土がわたしのなかのマイナスの氣を吸ってくれているように感じる。そしてありありと目に見えてわかる草むしりの成果も爽快。 あとごぼうを種から育てているけれど、なかなか成長がゆっくりで、どうなっていくのかこちらもまた目が離せない。やっぱり、畑は子育てに似ているかもしれない。大変だけど、興味深い。手間も時間もかかるが、大きくなるのが楽しみで、その過程こそ愛着の湧く源であり。
こちらの一冊は、季節とともに移り変わる畑の地上と地下の様子が描かれていて一目瞭然でわかりやすい。畑にたくさんの生き物たちが密接に関わり合いながら暮らしているのがよくわかる。人間の世界もおなじ。いろんな年代、いろんな性格の人が暮らしている多様性。畑を通して、人生や社会を感じられる。そんな壮大な話になってしまいました。