「海べのあさ」 マックロスキー文・絵 岩波書店
ロバート・マックロスキーは素晴らしい絵本の数々を残しています。この「海べのあさ」をはじめ「かもさんおとおり」「サリーのこけももつみ」「すばらしいとき」など、絵も文章もとても美しく大好きです。
「海べのあさ」は、ある日、サリーの歯が一本ぐらぐらし始めたところからお話が始まります。
お母さんと話をして、いつ歯が抜けるのか楽しみに待つサリー。
海べで今晩のスープにするためにハマグリを取りに行っていた時、気づくと歯が抜けていたのです。
歯が抜けてもサリーは買い物に行ってお店の人とおしゃべりをして、アイスクリームを食べて、ハマグリのスープを楽しみに家に帰ります。
大人には「あたりまえ」になってしまったことが、小さな人にとってはどんなことも特別なこと。
毎日は「あたりまえ」なことでできているようですが、でも実はそうじゃない。
マックロスキーのまなざしは、いつもそういったことを思い出させてくれます。
すえの娘の同級生のお友達が何人も歯がぐらぐらしていたり、抜けて大人の歯が生え始めている子がいます。
娘は、自分の歯もぐらぐらするのかな?いつ抜けるのかな?とちょっとドキドキしながらも何だか楽しみにしているようです。
娘の歯がぐらぐらし始めた時、このお話をもう一度読んであげたいなと思っています。
鳥山百合子