2019年11月16日・17日、高知蔦屋書店で開催された「とさちょうものがたりin 蔦屋書店」!
来てくださったお客さま、出展者のみなさま、心を寄せてくださったみなさま、蔦屋書店のみなさま、本当にありがとうございました。
土佐町の人たち、土佐町の風景が蔦屋書店の風に揺れていました。
数日前からコツコツと写真展の準備を開始。天井から吊るすことができる写真が想定していたよりも少なくなり、書店の担当者さんと相談して階段横や入り口正面にも展示ができるようにしました。本当に終わるのか?やれるのか?その気持ちは準備を進めるうちに消えて行きました。
他にもキネマ土佐町の上映準備や土佐町のポストカードを持ち帰ることができるように並べ、土佐町で暮らす人たちや風景のもとに吹く風を少しでも届けることができたらと思いながら会場を整えました。
あとは本番を迎えるだけ!この日までにやれることはやりきりました。
どんな景色が見えるかと本番が楽しみであると同時に、少し緊張もありながら当日を迎えました。
土佐町の出店者のみなさんが次々と到着し、自分の場所の準備をしている姿を見て「ああ、もう大丈夫だ」と心から思えたことはとてもうれしくありがたいことでした。この日を迎える前に、出店者の皆さんの仕事場へ伺い取材させてもらいました。どんな思いで仕事をして来たのか、喜びややりがい、しんどさ…。その人それぞれの持つ背景がこの会場の雰囲気と見事に重なっていたように思います。不思議なもので、その人それぞれが積み重ねてきたものは、姿そのものやその場の空気となって現れるものなのだなと感じます。
とさちょうものがたりが始まって2年半。高知蔦屋書店で開催できたのは、今まで出会った方たちとのいくつものご縁のおかげです。大切な人たちや重ねて来たかけがえのない思い出がいくつも心に浮かびます。蔦屋書店であらたな風景を見せていただいたことは、私たち編集部にとって大きな宝となりました。
書店入り口では、土佐町高須地区の花農家さんである澤田順一さん・みどりさん、息子の光さんが育てたトルコキキョウをお客さまに手渡しました。そのトルコキキョウは「みどり」という名前で、花びらの縁は淡い黄緑色をしています。(書店内の花屋さんは「お店に並べたいけれどなかなか手に入らない種類です」と話していました)
土佐町で育っているままの姿を届けたくて、あえてラッピングはせず、そのままのお花をお渡ししました。少し驚きながらもとても嬉しそうに受け取ってくださるお客さまたち。希望する方は新聞で包んで持ち帰ることができるようにしたのですが、お花を包む人のはにかむような嬉しそうな顔!
一本のお花を受け取る人たちの姿を見て、大切なのはこういうことなのではないかと感じました。ものや情報に溢れる今の世の中、本当に大切なことまで埋もれてしまっていないだろうか?心を込めて育てた一本のお花がその人の手の元へ届く。そのままがいいのだと思えたのです。
トルコキキョウが土佐町に吹いている風のそのままを、お客さまに届けてくれたように思います。
(「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店、ありがとうございました!ワークショップ編」に続く)