「仙人料理の本」 川村昇陽 高知新聞社
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山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
前回のあらすじ。
鹿の角のUSBをつくるってことになったけど、何から始めたらいいのかわからないから、近所に住む康富さんにヘルプを求めてみた。
つまり他力本願であれこれやってもらう、その続きです。
あまりにも何も決めずに康富さんの工房へ突撃したので、『イメージを具体的にしよう』ってことで会議。
そうやってあまりにも完璧に仕上がってしまったイメージ図がこれ!
と、こんな写真を載せてみて『何をバカ正直に、わかりやすい写真を選んでるんだ!』と心の声がする。
『世の中演出だろう!いかにも“やってます”アピールを自然な感じで見せる写真を出せ!』って声に従ったやつがこれです。
この図の詳細を説明しようと思っていたけれど、そんな事務的な説明なんておもしろくないし、
この暑さで気がのらないのでやめておきます。
と思ったのだけど『説明はあったほうがいいよー』って言われてしまう気もするので、
あとから人に言われて書くのはさらに気が滅入っちゃうから、
『つまらないなー』って気持ちを誤魔化しながら書くことにします。
【持ち心地を考えて、長さを3パターン(50mm・80mm・120mm)】
迷ったときの3パターン!
両極端な答えに挟まれた、みんな大好きその真ん中のふわっとした答え。
『やるorやめる』みたいな選択をせまられたとき、自分を正当化させる理由をあれこれ並べて…
つまり、ブーブー言いながらやる気もないままやり続けちゃうあれ。
ぼくも例にもれず、80mmが良い理由をあれこれ考えながら、このサイズがいいなと思いました。
【鹿の角を切った面の加工を5パターン(カドをとる・尖らせる・革を張る・金属で蓋をつくる・鹿の角で蓋をつくる)】
なぜこれは5パターンかと言うと、たまたまそうなったから!
思いついたことを、わざわざ説明しようとすればするほど、なんだか濁っていくような感覚があるので、ここはざっくり流します。(正直、説明するのに飽きてきただけです)
この日はカドを磨ききれなかったので、持ち帰って磨いたり、
このペースで磨いて尖らせるのは無理だなと、潔く諦めたり、
案の定、康富さんが
ふだんはスローリーな彼が、いきなり超高速で動きはじめたときの衝撃さえ伝わっていればそれでいい。
そしてぼくが
ふーっ、決めたとおりのことをただ説明しようとすると楽しみきれない…
ブレイクタイム!(このまま楽しい気分で終わります)
「鰹節いる?」
ふと投げかけられるこの言葉。
目の前に豆腐がないのにこの言葉を言われたのは、人生で初めてだ。
さらにそう言われながら目の前にアタッシュケースを置かれることは、前世でも経験がなければ、たぶん来世でもないと思う。
問いなのか?
答えばかりが求められているこの世の中で、問いに生きるのか?
アタッシュケースとは何なのか?
そもそもカバンとは何なのか?
そこに入れるものなんて決まってないはずなのに、ぼくらは無意識に『カバンに鰹節はいれない』と思い込んでいた?
鰹節は豆腐にしか使わないと、今まで真実だと思っていたことは真実ではなかった?
鰹とサザエさんのカツオとは違う…
鰹節の『節』って何?
どうして昔の人は、とれたての鰹をわざわざ節ったのか?
海は生命のカバン…⁉︎
鰹節…お前はいったい…
うますぎるっ!!
「宅急便ですー。」
職場に小包が届いた。今まで職場に届いたことがなかったから、誰からやろう?と思いながら受け取った。
先日愛媛県に引越しをした友人からだった。
開けてみると、箱いっぱいのレモン!大きいのも小さいのもごろごろとたくさん。
わあ!これで何を作ろうか?
まずレモンピール。塩レモン。レモンチーズケーキもレモンのマフィンもいいな。
その場にいた友人たちにおすそ分けした。
しばらくすると、土佐町の友人から電話がかかってきた。「川田ストアにさくらんぼが届いているはずだから、寄って分けてもらってね。」
そのさくらんぼは、この前土佐町に来た山形県出身の人から送られてきたのだという。
今度はさくらんぼ!
川田ストアに行くとお母さんが、冷蔵庫からさくらんぼの箱を出してくれて分けてくれた。お礼にレモンをいくつかおすそ分け。
お母さんが言った。
「レモン!ちょうど買いに行こうかと思ってたところ。びわがたくさんあるから、ジャムを作ろうと思ってたの。」
びわのジャム!
私の家にも近所のおじいちゃんからいただいたびわがたくさんある。私もジャムを作ろう。
お母さんに作り方を聞いた。
「皮をむいて、中の種をとって、小さく切って、砂糖とレモンを入れる。」
夕ごはんの片付けの合間にジャムを作った。
レモンを半分に切って絞ると、本当にいい香り。
何度もくんくん鼻を近づけたら鼻にくっついちゃって、それからしばらくずっとレモンの香りが近くにあって何だかうれしかった。
ホーローの鍋にびわと砂糖とレモン汁を入れコトコト煮始めると甘ずっぱい香りでいっぱいに。
子どもたちが「いい匂いやね〜。ちょっと食べさせて」と味見。
ビンに4つ分できた。
近所のおじいちゃんにおすそ分けしよう。お友達にもあげよう。
なんだか全部つながっている。
めぐりめぐるおもしろさ。どの出来事も愛おしい。
「パレットサイン」という名前は勝手につけました(笑)
「パレット」というのは倉庫なんかで荷物を移動するときのあれ、ですね。
このパレットを使った、カッコよい看板をふと見つけてしまいまして。
昨冬、訪れた土佐山アカデミーでの話です。
この土佐山アカデミーというのは土佐町のお隣の土佐山村というところにありまして、「なにやら面白そうなことをしているな〜」というのは僕が高知に移住する以前から思っておりました。
とにかくいろんなことをしているという印象で、それも頭の柔らかい遊びをしているようで楽しそう。
今年の2月に初訪問する機会があり、そこで見つけてしまいました。
これ。土佐山アカデミーの看板。見ると明らかに使い古しのパレットを使って上手に作ってます。
その発想も、リサイクル材を使って自然に出る味も好き。
「あ、これいい!」とその瞬間思い、次に「マネさせてほしい!」と考えました(笑)
そこで登場。土佐山アカデミーの吉冨さん。
役職は、、ボス?
その場でいろいろ教えてもらって、そのうえ翌月にさらに詳しい作り方を教えてもらいました。
そして、こないだ5月のこと。
「一緒にパレットもらいに行きましょう!」という吉冨さんのお誘いを受け、高知市内に軽バンを走らせました。
テンション上がって、そこでの写真をうっかり撮り忘れたのですが、ちゃっかり10枚ほどの使い古しパレットをもらうことができました!
さて、これをどうしよう。
土佐山アカデミーのようにシルクスクリーンで作る方法も試したい。
それから土佐町が誇るスゴ腕職人さんたちとも一緒に遊びたい(笑)
そこで登場。和田修一さん!さめうらこむ!
この修一さん率いるさめうらこむ、自然の素材そのものを活かした木工加工を得意としています。
僕の家から歩いて3分。特に丸太をスライスして磨いてどーんという技術が大人気。
こんな記事も。
修一さんと裕未ちゃんにお願いして、「土佐町ゆるロゴ」をパレットに彫り込みます。
そこでデジタル彫刻機の出番!
パレットのサイズを測って、PC上でロゴを置いてシミュレーション。もう少し小さく、もう少し上に、と微調整のあと、ついに「彫り」が始まります。
パレットはなかなかサイズが大きいので、けっこう時間がかかります。
ゆっくりゆっくり姿を表す土佐町のロゴ。
ちょっとずつ彫られる工程がおもしろくて、ついつい見入ってしまったのですが、気づいたら1時間54分経っていました。
そしてついに完成!土佐町パレットサイン(名前は勝手につけました)。
どうですか?いいでしょ?これ、時間が経てばまた味が増して来る(と思います)。
完成したのは6月19日のこと。さっそく6月21日に開催された「佐々井秀嶺 講演会」の入り口でお披露目です。
このパレットサイン、いまは役場玄関に置いてあります。
もし必要な方は言っていただければ貸し出しします。イベントなどに使ってください。
今後もパレットサインは増やしていく予定です。
たくさん作って町中に置きたい笑
土佐町パレットサインの貸し出し