GNHの産みの親・ブータンってどんな国?
ブータンに行ってきました。
この連載でも度々お伝えしてきましたが、GNH(Gross Nasional Happiness = 国民総幸福度)の産みの親、それがブータンという国です。
もう少し詳しく説明すると、GNHが産声をあげたのは、時は1972年、所はインドのボンベイ空港。
当時の第4代国王が、ある国際会議の帰り道、ファイナンシャル・タイムズの英国人記者のインタビューを受けた際に、初めてGNHという言葉を公に使用したと伝えられています。
「GNHはGNPよりも重要である ※」国王は記者に対してそう言いました。
それは、貧しく小さいブータンという国の国王に対して、多少バカにした態度で接してきた記者に対する反骨心の表れでもあったといわれています。
ブータンなめんなよ!という気持ちが、「GNPで計る豊かさよりも大事なものがブータンにはあります」という言葉になって出たのでしょう。
それ以来、ブータンはGNPによる物質的な豊かさの比較の中で競争するよりも、「幸福度」という尺度による国づくりを行おうとしています。
※ ”Gross National Happiness is more important than Gross National Product.” – by the king of Bhutan, Jigme Singye Wangchuck,
大きさは九州ぐらい。人口は山梨県ぐらい。
ブータンの国土は38,390㎢で、九州(36,750㎢)とほぼ同じ。2018年の人口は801,256人。これは山梨県と近い人数です。
ちなみに以下のグラフはブータンの世代別人口分布図。日本と比べると20代、30代の人口が突出しているのがわかると思います。
能書きはこれぐらいにして。
話を前に進めましょう。「ぼくが見たGNHの現場ーブータン編」です!
2019年2月20日〜3月7日の日程で、京都大学ILASセミナー「ブータンの農村に学ぶ発展のあり方」のチームに混ぜていただきました。教職員スタッフ4名、学部生院生8名、僕を合わせて計13名。
リーダーである安藤和雄先生は京都大学東南アジア地域研究研究所でブータンやバングラデシュ、ミャンマーなどで熱帯農学、農村生態を研究されている方。東南アジア研究におけるエキスパート。
もう一人のリーダーである坂本龍太先生はやはり東南アジア地域研究所にてフィールド医学を専門に研究されています。土佐町の方で「あ!」と思った方は多いかもしれません。そう、坂本先生はフィールド医学の関係で、土佐町にも度々来られています。
さあ、ここからはGNH関連の人物や取り組みなどを中心に紹介していきます。
順不同で、独断と偏見により石川が紹介したい順に書いていきます。
まずはGNHコミッション(GNHC)。
いきなりGNHの総本山のようなところに来てしまいました。
「GNHコミッション」はブータン政府の政策が、GNHに基づいた策定がなされているかというチェック機能を持った国権の最高機関です。
GNHの哲学に則した、ブータン全国民にとっての「幸福度の促進」を目指す公的な機関です。
The Gross National Happiness Commission is the highest government body mandated to formulate and monitor policies. It is “an Institution that promotes an enabling environment for all Bhutanese to be happy and steer national development towards promotion of happiness for all Bhutanese guided by the philosophy of GNH. - Center of GNH
話はこれから‥‥というちょっと中途半端なところですが、長くなったので今回はこれまで。次回に続きます!