「21世紀の新しい職業図鑑~未来の職業ガイド~」武井一巳著 秀和システム
何かの拍子に、小学校の国語の時間に習った物語の一節やタイトルが思い出される時があります。「私はひどく落胆した」とか「めもあある美術館」とか。
この本を読み終えた時浮かんだのは「ランプ、ランプ、なつかしいランプ」という言葉でした。そう、新美南吉の「おじいさんのランプ」の終わりにでてくる言葉です。まだほとんどの家には明かりがなく、あっても行燈くらいのもの、というときに登場したランプ。文明開化の象徴のようなランプでしたが、電気の登場とともに時代遅れとなってしまう…。
このガイドにでてくる職業は、どれも私が子どものころにはなかった45の職業です。プロゲーマー、ドローン操縦士、ユーチューバー、地下アイドル…。これらは今後ますます発展するだろうAIに対抗できる職業なのだそう。 私が愛してやまない司書という職も、いつの日かAIにとって代わられるのでしょうか? もしも図書館がランプの様に時代遅れになったとき、わたしは巳之助のように「自分の古い商売がお役に立たなくなったら、すっぱりそいつを棄てて、古い商売にかじりついたり、昔のほうがよかったといって世の中の進んだことを恨んだり」しないでいられるでしょうか。
いやいや、図書館よ、永遠なれ!!