「風の谷のナウシカ」 宮崎駿 徳間書店
ご無沙汰しております。
久方ぶり!ゆかりでございますよ。
さて、私事ですが、
詩の部門で高知県文芸賞を頂きました事をこの場を借りてご報告させて頂きます。それもこの「私の1冊」で色々な本に触れ、思考したこと、皆様のお力がこの賞に繋がったと思います。改めてお礼を申しあげます。
さてさて~今回の前座は~
実は我が家、最近屋外に薪ストーブを導入したのです!ぱんぱかぱーーーーん!!!焼き芋さいこー!!!
もちろん、薪ストーブが導入されたということは、生活サイクルに薪割りがインするわけです。
ほっそい折れそうな母が竹を割っていたりすると、(枝が枝折ってる~(笑))と面白がってからかうのが常です。
コロナもあるので土日は完全に家で、冬の仕事をしているのです。
本日私は持病で鬱々としていたのですが、「薪割りでもしたら??すっきりするかもよー」という母の言葉と、薪割りをする父のおしりの動きが妙にツボだったので、私も薪割りをすることにしました。
ここで話の流れ的に、私が下手くそでキャーキャーするはずなんですが、昔取った杵柄、剣道していたので…。面打ちの要領で、バンバン薪を作りました!父も調子を乗ってじゃんじゃん木を持ってきます。結局、相当量薪を作ることができましたが、父のアシストあっての事ですね。
そしてスッッッキリして、仕事をしようと思ったのでしたー。本当は12月25日の金曜ロードショー、「風の谷のナウシカ」に間に合わせたかったんですけどね!ちゃんちゃん。
きっと風の谷でも薪割りは日々の仕事なんでしょうね。
さて、
今回の本編の前にスペクトラムという言葉について、りぐってみようかと思います。スペクトラムとは連続性という意味です。Google先生でスペクトラムと検索してみると、自閉症スペクトラムがトップに出てします。
他にあげられる言葉は性スペクトラムですね。自閉症スペクトラムは説明していたら、大学の期末レポート並になるので、割愛。性スペクトラムは簡単なのでご説明をば。性スペクトラムとは男性と女性はかっちりと区別されたものではない事を説明しています。
DNAから連続しており、限りなく女性に近い男性、限りなく男性に近い女性、両性などetc.、元来の考えを覆すものです。私も中学生のころ、“私って本当にXXなのかな…?女の子らしいことできないし、XXYとかなのでは?!!“と思ったものです。実際にはそういう女性や男性がいる訳ですが。このような話をするのは、ナウシカという存在が一騎当千という猛々しさ、数々の武勇、それに反して思慮深く柔らかな心、全てを包む優しさ、両極端な部分があるからです。(母性もあるのでは…という声はまたひとうんちくあるので、今度ということで)
さて、本編は6巻にはいりました。 冒頭は、チククがナウシカの気配を察知できなくなり、チヤルカと共にナウシカがいるであろう、粘菌の集合地点に向かいます。
そこで蟲使いたちが、ナウシカのメーヴェを持っているのを見つけ地上に降ります。蟲使い達は新しい森で、新しい縄張りを決めるため、森の人の指示で13氏族メーヴェをめぐって諍いになる間際、森の人が現れます。森の人は蟲使い達に尊ばれる人々です、チククとチヤルカは何とか事なきを得たのでした。そしてチククと森の人は念話をし、共にナウシカを探しに行きます。
道中、チヤルカは森の人の不思議な青年に、”あの巨大な粘菌はいったいどこへ消えてしまったのです…”と聞きます。
青年は”………粘菌もいます ”中略” もう大きな群れにはならないでしょう 王蟲の森を食べて混じり合い落ち着いたから… ”中略” 粘菌は自分の食べた木々の苗床になって食べ尽くされます 食べるも食べられるもこの世界では同じこと 森全体がひとつの生命体だから……” と答えます。
”人間が世界の調和を崩すと森は大きな犠牲を払ってそれをとりもどします そのためこの千年森はいよいよ広く深くなっています ”と続けます。
あまりの事にチヤルカは涙をうかべ歯を食いしばり、
”何という愚行をわれわれは………”
と深い後悔と悔恨で涙が止まらない様子です。
チヤルカはすごい人です。ただの僧兵から王弟や国への忠臣ぶりをかわれ、今の地位にいます。臨機応変な対応や、知らない知識を貪欲に吸収しようとする姿など、理想的な上司だと思うのです。国を愛し、人々を愛し、初めは僧会の教えという凝り固まった概念がありましたが、今はただ1人の人間として命に向き合っています。この人間性が私はとても好きで、チヤルカは好きな登場人物の1人です。
さて一方、蟲使い達は森の人に集められ、新しい森(新しい腐海)の誕生を祝い、子孫に伝えるため、森に1番初めの日が差すのを待っています。
チクク達はテトの気配を頼りに、ナウシカを見つけようとしていました。ナウシカは、王蟲によって死を免れていました。王蟲はナウシカに漿を含ませ、瘴気や腐海の毒気から守りましたが、彼女に意識はありません。本当は彼女は王蟲と共に行ってしまいたかったのですから。ナウシカを何とか見つけたチククと森の人は、初日を浴び、猛烈な勢いで伸び始めた腐海の中から何とか脱出したのでした。
蟲使い達は日差しによって爆発的に緑になっていく腐海を見て、喜び、若衆達は踊ってすらいます。そこへ漿をまとったナウシカを連れた森の人が現れます。彼らはそこに神をみます。
ある部族の蟲使いは言います。
”森の人よ このお方は人の姿をした森です 両界の中央に立たれておられます どうか私共にこの方をお与えください 部族の守り神にいたします”
彼らは土鬼や諸民族から蔑まれ疎まれ、森と人との境界に立つナウシカは、そこに指した光のように見えたのでしょう。
森の人は、今のナウシカの状態を説明しました。ナウシカが王蟲と心を通わせていたこと、心の深淵に至ったこと、深淵の岸辺に今も佇み、そこからこの世に戻ってこれるかは彼女自身の力や思いであること。森の人は”判ってほしい 私達に見守らせて欲しい”と言います。しかし頭に血が上ってしまった状態の彼らには届きません。仕方なくその場から離脱するのです。
森の人は”軽率でした 彼等に見せるべきでなかった かわいそうに 今ごろみな泣いているでしょう”と哀れみ、後悔します。そう、彼は念の力や腐海との繋がり方など、ナウシカとよく似ています。そして、今後のキーマンの1人になってきます。
6巻半ば、今年はここで終わりに致します。
良いお年をお送りくださいませ。
さて、今回はここらへんで!
次回もがんばるぞ。(遅くてごめんなさ~い(涙))
次は6巻後半からを書けたらいいかなと思います。
最後に、末文になりますがお許しください。
祝いの時間もなく、先の見えない中で前を向いて走り続けている方々へ、心からの敬意と、感謝を。
いま苦しい立場にいる人々にエールを。
それでは、また。