「ここの資料館おもしろい!」と、思わずつぶやいた。
教員として赴任してきた4年前、初任者向けの町内巡りに参加した時のことだ。
資料館の展示物はどれも控えめで、ごく普通の印象ながら、よく見ると個性的で、それぞれ奥行きの深さをもっている。そう、土佐町の子どもたちと同じだ。
この町に来る前は、四半世紀ほど県立の資料館に勤めていた。仕事柄、全国の大規模な「資料館」や「博物館」を見てきたが、正直「おもしろい」と思ったことはなかった。豪華な美術品、最新の映像機器、精巧なレプリカを、「これでもか!」と見せられても、途中で飽きてきて、「もう出よう」という気分になったものだ。
対象的なのが町や村の小さな資料館だ。予算も人も少ないのだろう。色あせたパネルや、傾いたままの資料を見て、ハラハラすることもよくあったが、展示自体はめちゃくちゃ個性的で、「おもしろい」。
地域の資料館は、当然地元と繋っている。「これは○○さんくのが」「○○さんはさすが職人、よう使いこんじゅうねえ」そんな声が聞こえてきそうな資料館は、まさに生きている資料館。「県立館」とは違う魅力があるのだ。
退職後の選択肢は色々あったが、ボランティアとして、この町の資料館のお手伝いをすることにした。教育委員会の方たちと協力し、一点一点資料カード作りから始めたのたが、毎回何かしらの発見があって、実に楽しい。
土佐町の資料館は、正式には「民具資料館」という。ただの「民具館」ではないところがミソだ。旧森少学校の2階を改造し、手前から「通史」、「衣・食・住」、「生業」などのテーマで構成される。展示品はすべて町内で使われていたものだから迫力が違う。
なかでも心惹かれるのが、「通史」の部屋だ。手作り感満載のキャプションや、試行錯誤して拵えた展示備品の数々が、オープン時のスタッフの苦労と努力を偲ばせる。
町立レベルで、常時甲冑を4領も出している館も珍しい。これもただの民具館ではない、「民具資料館」の面目躍如といったところか。
②へ続く
ミサロ
巡り合わせ!森小学校の庭の外れの椿。
月明けて返る日には是非伺いたい。
懐かしい織機に会いたい!?
とさちょうものがたり
ミサロさま
コメントありがとうございます。
記念館の皆さんや野本さんにもお伝えしておきますね!
ミサロ
よろしく