2023年5月16日、土佐町老人クラブの皆さんと一緒にお茶摘みをしました。
場所は土佐町中心部から車で約40分、土佐町南川地区のお茶畑。
南川のお茶畑を引き継ぐ
南川地区は標高が高く、昔からお茶どころとして知られていました。車で走っていると「家があるところに茶畑がある」、そんな印象があります。しかし、高齢化でお茶を摘む人は年々少なくなり、地区内にあった製茶工場も数年前に閉じられました。
2007(平成19)年、土佐町老人クラブの会が開かれ、「南川地区にお茶をようとらんなった茶畑があるんじゃけんど…」という話が出たそうです。
その話を聞いた土佐町社会福祉協議会の上田大さんは、何とかできないだろうかと土佐町老人クラブの当時の役員と話し合い、その結果「引き継いでお茶を作って販売し、クラブの活動資金にしよう」ということに。
それから16年。土佐町老人クラブの皆さんは毎年欠かさず、お茶を作り続けてきました。
茶摘み日和
この日は5月晴れ、絶好のお茶摘み日和でした。
瑞々しいお茶の葉がまぶしい。老人クラブの元気なお母さんたちがせっせとお茶を摘み始めました。摘むというよりも、むしり取ると言った方が良いでしょうか。新芽をわしっとつかんで、わしっとむしる。その葉を米袋に入れていきます。
広大なお茶畑。6人のお母さんたちが、おしゃべりに花を咲かせながら、せっせとお茶を摘んでいきます。
お茶畑には、お母さんたちの楽しそうな笑い声が響きます。わいわい笑い合って一緒に仕事をし、ちょっとしたモヤモヤを笑い飛ばしながら、今までお茶を摘んできたんだろうなあと感じました。
お茶の葉が米袋にたまった頃、社会福祉協議会の上田大さんがお母さんたちの元へ。網の袋にお茶の葉を入れ替えます。
お母さんたちから預かったお茶の葉を担いで、選別している人たちの元へ運ぶ上田さん。お茶の葉一枚は軽くても、集まればずっしり重い。これを何往復も。なかなかの重労働です。
お茶畑には成長したワラビがあちこちに生えています。ワラビはお茶の木に覆いかぶさるように育ち、日陰を作ってしまうので、お茶の葉がよく育たなくなってしまうそうです。
「お茶畑のワラビは雑草!」
抜いていくのもかなりやっかいな仕事です。広大なお茶畑の中、せっせとワラビを抜いているのは和田純一さん。
こちら、選別作業中の一コマ。お母さんたちが摘んだお葉の葉中に、小枝や枯れた葉が混じっていないか選別していきます。
山のように積まれた葉からは、むんとお茶の香りが。新茶の葉は収穫するとすぐに発酵が始まってしまうそう。新鮮さが命。せっせと選別して、また袋に入れます。
このお茶の袋は町に帰ったらすぐ農協へ持って行き、そこから製茶工場へ。しばらくして、製茶されて戻ってきます。
もうひとつのお茶畑に移動して、さらなるお茶摘み。かなり急勾配な畑でしたが、お母さんたちは元気いっぱい、お茶を摘む手が止まりません。
この日は日差しが強く、とても暑い日でした。お母さんたち、何という体力!普段から、田畑の仕事、草刈りなど、体を動かしているからこその姿でしょう。
多く摘めば、その分多くのお茶ができます。「もう終わりにしましょう〜」と言われても、お母さんたちはなかなかやめない。「もったいない!こんなにお茶があるのに」と名残惜しそう。
左から 上田大, 和田純一, 森岡登志子, 川田美智子, 筒井京野, 森岡今朝幸, 曽我部美智子, 細川和子, 窪内花美(敬称略)
この写真は「最後もう一仕事、頑張ろうか!」という前に撮影しました。
今年は6人のお母さんたちが参加しましたが、年々参加する人の人数が減っているそうです。
お茶摘みをぜひやってみたいな、という方はぜひご参加ください!5月中、町内放送で参加者を募集します。山の風は気持ちがいいし、お母さんたちとの時間はとても楽しく、元気をたくさんもらえます。
この日摘んだ葉は全部で107キロ。製茶されて戻ってきたら、皆さんで袋に詰める作業をするそうです。