年の瀬、子供の頃、藁を綯って作った祖父お手製の「しめ飾り」をお墓・玄関そして家のあちこちにある神棚にお供えしたものでした。
Uターンしてきた40年ぶりの土佐町の年末風景で一番驚いた事、それは門柱等に飾られた、竹をくりぬき縁起物の植物をきれいに生け込んだお正月飾りでした。
とても華やかで、門松もここまで進化したのか!と空白の時間を想いました。
Uターンして迎えた二回目のお正月、この「お正月飾り進化バージョン」に挑戦せんと決意。
夫が切り出してきた裏山の竹に、生けるスペースを3カ所くりぬいてもらい、体力勝負の第一段階クリア!
よりによって年末寒波到来の初日に材料集めに出発です。
裏山に分け入り、形のいいまるでカイトのように翼を広げた「おなが」(正式名称は「うらじろ」らしい)・野イチゴ状のジャンボな赤い実を一個だけ付けた正体不明の蔓状のかわいい植物そして根締めに使うつややかな緑色の葉っぱを採集。
庭の南天に心の中で「ゴメン!」と謝りつつ、エイヤッと切り離します。
お正月飾りには必須の松と千両は市販品を利用です。
寒風吹き荒ぶ中、玄関先に材料を広げ「いざ生けん!」、強風にさらわれていくシダと追いかけっこ…。でも気分は芸術家です。
出来栄えはどうあれ、完成した。
切り取ってきた生命は新たなきらめきをもって、わが家の玄関を清澄な空気で満たしてくれました。