先々月、妹が、「お姉ちゃん!これ見て!お姉ちゃんは文章が上手やったんやねぇ~!」と、少し興奮気味に、私が小学校六年生の時に書いた作文のコピーを持ってきました。
それを見た瞬間、何かしら「黒いもやもや」感情が湧きあがってきました。
・・・???何やろう???・・・
題名は、「九官鳥」。
そういえば、その頃、家では九官鳥を飼っていました。妹と私にとっては、懐かしい想い出。
その九官鳥がカゴから逃げた時のエピソードを綴っています。登場人物には、父・母・妹に親戚のおじさん、近所のしのぶさんの家や、森中学校の様子も垣間見えます。
・・・しかし・・・
妹が、その文章を上手だとほめる続けてるうちに、ハッと気がつきました。「黒いもやもや」の正体。
私が、宿題の作文を書いているのを見つけた父が「ちょっと、こっちへ来い!」と言って、なんと、添削を始めてしまったのです。
一連の流れはいいけれど、所々大人の言い回し。書き直したくないのに、その頃の父は偉大でした。しかたなく、書き直し提出したら、何とそれが、土佐村公民館の冊子の文芸欄へ選ばれてしまいました。
誰にも言えず、全然嬉しくない。罪悪感でいっぱい。そんな作文のコピーを見たもんだから、懐かしさよりも「黒いもやもや」感情の方が大きいのは当たり前。普段は、子供の宿題など見た事もないくせに、何故かそのときだけ父は張り切ってしまったのですね。
そして、妹がコピーを持ってきた後日、読解力のすぐれた友人2人に見せると、2人とも「すごいですねぇ~。まるで大人の言い回しですねぇ~」
やっぱり、お見通し。
私は、60年ぶりにその2人に罪(?)の告白をしました。
「それねぇ~、実は、父が手伝うてくれたがよ。私は、嫌やったのに…」
友人2人は「言わなぁ、わからんのに…(笑)」
私は、やっとすっきりしました。
後にも先にも、たった一回きりの父の宿題への干渉だったのに、感謝どころか、私の心には、罪悪感しか残っていないとは…。親業も大変ですね。
世のお父さま、お母さま方、お子様の宿題のお手伝いをするときには、くれぐれも、お気をつけて。