土佐町の絵本「ろいろい」。コロナ禍の数年も挟んで、約5年かけた長期プロジェクトとなりました。
完成した「ろいろい」は、ジャバラ型の少し変わった形をした絵本。ながーいページを伸ばすと、そこには土佐町の実在の風景や文化、人々が描かれています。
表面には春と夏の町。裏面には秋と冬。
15回に渡る記事で、絵本「ろいろい」を1ページずつ解説していきます。
3ページ目は栗の木・平石・翠ケ滝!
ろいろい ろいろい
みどりがたきに のこる くうかいでんせつ
「おばあさん このたにを ゆずってくれないか」
おばあさん それはできんと くびをふる
くちをあんぐり こうぼうだいし
さあ、次にろいろいとやってきたのは、平石・栗の木・翠ケ滝(能地)です。
左の奥にそびえている大きな木は平石の乳銀杏。その元で、口をあんぐり開けているのは誰でしょう?そう、弘法大師です!
土佐町には昔むかし、土佐町能地に四国霊場を開くため、弘法大師がやってきたという言い伝えがあります。このお話は、土佐町史に掲載されています。
平石の毘沙門堂
平石の入り口に鎮座して集落を守る毘沙門堂。このページの真ん中には、このお堂に建つ樹齢400年の杉が描かれています。集落を見守り続けてきた杉の木肌は苔蒸し、この場所で生き抜いてきた時間を感じさせてくれます。平石地区の皆さんがとても大切にしている場所です。
翠ケ滝
そして、竜の口から流れ落ちる滝。これが翠ケ滝です。
翠ヶ滝は「裏見の滝」。滝の裏側にある窪地にお堂が建っていて、滝の裏からの風景が臨めます。2018年9月の「土佐町ポストカードプロジェクト」でも撮影しています。
近くには芭蕉の木が生えており、滝の水がその大きな葉に跳ね揺れている。座ってその風景を眺めるのもおすすめです。
翠ヶ滝は「キネマ土佐町 秋」にも登場しています。1分44分からです。
竹のおもちゃ
絵の中の子供たちが持っているのは竹の水鉄砲。ゲームやスマホなどなかった時代、町の人たちは山にある竹林から竹を切り出し、おもちゃを作って遊んでいたそうです。 竹の水鉄砲や弓矢、豆鉄砲も。
土佐町地蔵寺地区の筒井政利さんは、竹のおもちゃを作る名人です。海兵隊として戦争へ行った筒井さん。その時のお話を記した記事はこちらです。
ろいろい、ろいろい。
町のあちらこちらには、たくさんの歴史や言い伝え、人が生きてきた証が散りばめられています。町の人に出逢い、町を知る。
さてさて、次のページはどの場所へ?
どうぞお楽しみに!