母屋の裏山の一部はもともと段々畑だったのだが、その後、現金収入が見込まれる椎茸栽培のために原木となるクヌギの苗を植えたそうだ。それから何度か伐採しているらしいが、今は十年以上成長したクヌギがたくさん立っている。母屋のすぐ裏にあるので、幹があまり太り過ぎても伐採が難しくなるし、落ち葉が雨樋に溜まるので、大家さんに相談して数本切らせてもらった。
せっかくなので、僕も椎茸の原木を作ることにした。
木を切ったら葉が落ちるまで放置し、1mほどに長さに切って小口にヒビが入るまで乾燥させた後、椎茸菌の駒を打ち付けていく。
まず林から木を運び、専用のビットを取り付けたインパクトドライバーで穴を開け、種駒を木槌で打ち込んでいく。駒はホームセンターや森林組合などで手に入る。椎茸以外にもナメコやヒラタケなど数種類ある。
今年は2,000個近い駒を打ち込むことになった。
穴開けて、駒打って、、、果てしないひとり作業になるはずだったが、ありがたいことに助っ人数名がお手伝いに来てくれた。駒打ち作業は子どもたちが気に入ったようで、飽きるまでトントンしていた。
ほだ木(菌打ちをした木)は風通しの良い日影に横積みしておき(←イマココ)、小口に白い菌が見えたら、収穫しやすいように立てかける。
決して楽な仕事ではないが、これで翌年の秋には椎茸が採れるようになる。木の太さや種類によるが、二年から三年間、春と秋に収穫できる。
この地域では椎茸栽培が身近だ。自家栽培している方は多いし、椎茸農家さんもいる。山道を歩いていると、そこここでほだ木がある。旬になると、地域の道の駅やスーパーでパック詰めされた原木椎茸が売られる。
新鮮な原木椎茸の旨さは栽培者の特権だ。はじめて食べたときは、その美味しさにびっくりした。旨味がギュッと詰まってて、滋味がある。採れすぎても天日乾燥させれば、長期保存できる。
今、去年菌打ちしたほだ木から椎茸が出てる。まだ小さいと思っても、雨や朝露で一気に大きくなるので、小ぶりのうちに収穫しておく。採り忘れて大きくなりすぎてしまったものは、バター醤油でステーキ風にして焼くと、まっこと美味だ。