秋晴れの9月22日の秋分に、やっと最初の秋冬野菜の種を蒔いた。
随分前から「やらなきゃ、やらなきゃ」と気ばかり焦っていたのだが、向き合えずに先延ばしにしていた。このところ最低限の家事や用事だけを済ませるくらいで日々が過ぎていた。何となく心が前に向かず、夜布団に入ると「このままでよいのか」と言う思いに鬱々とする毎日だった。
熱気のなか走り回っていた夏が去り、秋がやって来た。涼しくなって、ふと気持ちが立ち止まったのかもしれない。なんとなく物悲しく、たまに漠然とした不安に襲われる。こんなことじゃいけないと思いつつ、翌日また同じことを繰り返す、自分の中のアンバランスさを感じていた。
秋分の日の朝、SNSのタイムラインに友人が「これからは夜が長くなる、切ない」と書いていた投稿を読んだ。そうかこれは季節のせいなのかと思った。
この言葉で踏ん切りがついた気がして、その日久しぶりに畑に入り、草を刈り畝を整え、去年採った大根と人参の種を蒔いた。
たくさんの日光を浴びていると、モヤモヤしていた心の中にも光が差し込んで来るようだった。相変わらず考え込むことはあるし、向き合うべき事もたくさんある。けれど、抜け出した感は一歩前進と言うべきか。
いま通っている整体の先生が「気持ちと身体は季節とともに変化する。それに応じた運動や飲食をし、精神と肉体を整えていけば良い」というようなことをおっしゃっていたのを思い出した。季節とともに、僕の心と身体も少しずつ秋冬仕様になって来ているのかもしれない。