「土佐町の民話」 土佐町の民話編集委員 土佐町教育委員会
土佐町に伝わる民話を集めたこの本は今から28年前に作られました。土佐町史編纂時に町内に広く呼びかけ、収集、整理されたものだそうです。
「とさちょうものがたり」の中のカテゴリーのひとつである「土佐町ストーリーズ」でも、この本の民話を紹介しています。
和田守也町長もこの本の編纂に関わっていて、本の挿絵を描いています。「この本を作った時点でも民話がどんどん町から消えていくのを感じていた」と話していました。
この本のはじめには、こう書かれています。
『民話は、昔の人の暮らしや社会の様子を知ることができます。温故知新という言葉があります。先人の生活や文化の中から新しい町づくりや産業振興についての知恵を学ぶとともに、郷土史を身近なものとして理解し、郷土愛が生まれることを願うものであります』
28年後の今、先日行われた幸福度調査アンケートでは『地域の伝説や民話をどれくらい知っているか』という質問がありましたが、「全く知らない・あまり知らない」という人たちの割合がとても高いことがわかりました。この結果をどう捉え、どうしていくのか町全体で考えていく必要があるのではないかなと思います。
この地の先人たちが積み重ねてきた暮らしの上に今の暮らしがあるということ、毎日見ている風景の向こうにある奥ゆきを忘れないでいたいと思います。
鳥山百合子