笹のいえのご近所さんは、農業を営んでいなくとも野菜を作っている方がほとんどで、よくお裾分けをいただく。
引っ越し当初、田畑をはじめる前は、いただくばかりでお返しするものがなく、申し訳ない気持ちだった。
あれから数年、今はお米も野菜も作っているが、うちで採れるものは他の家でも採れるわけで、相変わらずお返しに悩む。
それでも、いただいた食材を加工したり、自家製の味噌や醤油をお渡しすると喜ばれる。
さて、「帰宅したら、玄関に野菜が置いてあった」は、田舎あるあるとしてよく聞く話。
置き手紙やメモもない場合が多く、一体「誰」なのか、玄関先でしばし焦ることになる。
いただきもので一番驚いたのは、杵と臼だ。
お餅つきをしたかった僕は、ある日の消防の集まりでぽつりと「どこかに不要の杵と臼がないか」と話をした。
そのときは「うーん、どうかねえ、どこかにはあるんだろうけんど」くらいで話が終わったから、
まあ気長に探すかと考えていた。
しかし、翌日外出から家に帰ると、玄関に木製の杵と臼がどーんと置いてあるではないか。
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
このときもメモなどなかったのだけれど、臼に作成者の名前が書いてあって、そこから持ち主が判明。
すぐにお礼の連絡ができた。
大人ひとりではとても抱えられない重さの臼を運ぶだけでも一苦労だったはずなのに、
このときばかりは感謝を通り越して「安易に臼ほしいとか言ってごめんなさい」と謝りたい気分だった。
でも、杵搗きのお餅はサイコーに美味なのだ。