「ポケットに名言を」 寺山修司 角川文庫
出玉遊び等に入れこんでいた頃のこと。
ある珈琲屋で開いた文庫本に「この世で一番大きなタマは地球だ」とか「珈琲が苦い」だとかの文句があり、それを読んでいるうちに突然「もういいや」と思い、以来止めた。
道徳でも哲学的でもなく、ただ単純に自分が決めることなんだよ、と。世間は広く知らないことばかりじゃないかと思ったようだ。
煮詰まって焦げようとしていたようだ。
煮詰まれば何とかなるようだ。
そして本にはヒントがいっぱい詰まっているようだ。
若者(永遠の)よ、書をポケットに荒野へ出よう。(名言は内ポケットに)
藤田英輔