田んぼや畑で、道ですれ違ったときに、家の玄関先で、集落の寄り合いで。
人が出会えば、どこでも何気ないおしゃべりがはじまる。
明日の天気のこと、お米の苗の成長具合、昨日分蜂したミツバチのことなど。身近で起こったちょっとした出来事の話だ。
つい聞き流してしまいそうだが、これが気を抜けない。
会話の中に、暮らしに役立つヒントや知恵がたくさん詰まってるからだ。
あの花が咲いたら、この種を蒔くころ
昔はこうやって、苗育てていた
分かれた蜂を蜜堂(巣箱)に誘う方法は、これが一番
何十年も何世代も前からこの地域に伝わってきたことから最新情報まで、ネットで検索しても出てこない、地域の「いま」がここにある。
僕はその会話を忘れまいと、頭の中で一生懸命反芻するのだった。
写真は、ゴールデンウイークごろ旬となる茶摘みの風景。去年までは一日で全て収穫していたが、日当たりによって木ごとの葉の成長が異なるので、今年はひと釜分ずつ。その日のうちに炒って揉んで乾燥させれば、自家製茶のできあがりだ。