「生涯、自分らしく」
土佐町にはトキワ苑という特別養護老人ホームがあります。
「生涯、自分らしく」をモットーに、約80名の利用者さんが日々この施設で過ごしています。
高齢化が著しい、土佐町のような中山間の町にとってとても重要な役割を担っている施設です。
そのトキワ苑から、「スタッフが仕事中に着るポロシャツを作りたい!」とご相談を受けました。
実は昨年も同様のご相談を受け、とさちょうものがたりが製作していた下田昌克さんの絵柄のポロシャツをお買い上げいただいたという経緯がありました。
それでは今年はトキワ苑オリジナルの絵柄を作成してみてはいかがでしょう?とご提案したところ、少し時間を置いてから、下のようなイラストが編集部の元に届いたのでした。
すごい!
編集部では、なんとなく施設の職員さんで、絵の得意な方が描かれるのかな?と想像していたところ、実際に描いたのは施設の利用者である81歳のおばあちゃん。
絵を描くのが好きで、今でもよく絵筆を持つそうです。今回描いてくれたのは土佐町でもよく目にするアジサイの花でした。
上がイメージ図。背中一面にアジサイが咲いている絵は手の温もりを感じます。意外な迫力もありますね。
左胸にはトキワ苑の施設名とともにモットーである「生涯、自分らしく」。
全部を仕上げてからお届けに伺いました。
真ん中のおばあちゃんが絵を描いてくれた小川和子さん。左がトキワ苑の職員の古谷さん。後ろと右の2人が印刷を担当したどんぐりのきほちゃんと寿光くん。
とさちょうものがたりのシルクスクリーン事業のスタートは、「地域で自分たちで作れるものは自分たちで作った方が良いのではないか?」という疑問からでした。
それは都会の業者さんにお願いした場合には地域外に流れていくお金を、自分たちで作ることで地域外に逃がさないようにするということ。
そうしてできた仕事に、仕事を必要としている地域の人が取り組み実現させていくということ。
さらにこういった仕事のひとつひとつを、たとえ不器用でも着実に完遂していくことで、仕事をする人々ばかりか、仕事をお願いしてくれる地域の人々にも、その経験値が蓄積されていくということ。
そしてそうした経験を積み上げるほどに、関わってくれる地域の方々との間に理解が深まっていくのを実感します。
トキワ苑のみなさまには、今回とても良い機会をいただきました。スタッフ一同心からの感謝をお伝えします。ありがとうございました!