「とさの笑」 梅原デザイン事務所制作 高知県文化生活部・国際課
高知の人、食、笑、技…。高知ならではのそれぞれが詳しく書かれている「とさのかぜ」の本です。こちらはその中の一冊「とさの笑」。
高知の道ぞいにある良心市やよさこい祭の花メダル、桂浜の五色の石、沈下橋、ミレービスケット。高知ならではの文化を「勝手に重要文化財認定」して紹介しています。高知に来たら必ず耳にしたり、手にするものごとについて、それはそれは詳しく調べられているのでとても面白い。
中にはサバの姿寿司もあります。
「頭や尾の部分が残るが、それは翌日、焼いて食べるのが楽しみ。酢が戻り、サバの焼き汁がしゃりに染み込んで、これがまたすごくうまい!」。土佐町で40年以上さば寿司を作り続けて来た長野さんもそう言ってた!とうれしくなりました。
この本は高知に来てから手にしたのですが、私の本棚のいつも「いい場所」に並んでいます。無意識でしたがそれはなぜなのか?先ほどはっと気が付きました。
この本の作り手の愛情が伝わって来るからだ、と。高知という土地が培って来た文化、その文化をつくり引き継いで来た人たちへの尊敬の念。それを伝えたいと思った作り手の方たちの熱が伝わってくるのです。「熱」と「真摯な姿勢」がここにあります。そして作り手がこの本を作ることを楽しんでいるだろうことも伝わってきます。
背筋がピンと伸びるようなこの一冊。私はこれから何度もこの本のページを開くと思います。
鳥山百合子